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プロの読み手による書評ブログ

2009-12-29から1日間の記事一覧

『反哲学入門』 木田元 (新潮社)

→紀伊國屋書店で購入 本書は題名からして『反哲学史』とかぶっているが、中味も完全にかぶっている。異なるのは『反哲学史』が大学の講義を元にしているのに対し、本書は哲学とは縁遠い若い女性編集者に語った録音を原稿に起こし、新潮社のPR誌『波』に連載…

『反哲学史』 木田元 (講談社学術文庫)<br />『現代の哲学』 木田元 (講談社学術文庫)

→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 『反哲学史』は立花隆&佐藤優『ぼくらの頭脳の鍛え方』(文春新書)で波多野精一の『西洋哲学史要』とともに哲学史の名著として紹介されていたが、すごい本である。こんなにわかりやすく、しかも核心を素手で摑み…

『アウシュヴィッツ以後の神』H.ヨーナス(法政大学出版局)

→紀伊國屋書店で購入 「いま、神はどこに」 2009年の収穫といえる哲学書の翻訳を、一つ紹介しておこう。「神」について語ることは、現代いかにして可能か。二十世紀を生き抜いた哲学者ハンス・ヨーナス(1903-1993)は、本書に収められた晩年のエッセイ三篇…

『貧民の帝都』塩見鮮一郎(文春新書)

→紀伊國屋書店で購入 「格差問題を政策の問題としてではなく、「ほどこしの文化」の問題として考えるために」 いま日本社会を生きていると、貧困や所得格差の問題は社会政策の問題であり、税金分配の仕組みを合理的な制度に改革することが、その解決方法の全…