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プロの読み手による書評ブログ

2010-06-08から1日間の記事一覧

『自己評価メソッド――自分とうまくつきあうための心理学』クリストフ・アンドレ著/高野優訳(紀伊國屋書店)

→紀伊國屋書店で購入 「我々の問題としての「自己評価」」 中村うさぎ(作家) フランスで十数万部も売れたベストセラーとは、いかなる本であろうか? 翻訳タイトルは『自己評価メソッド』……そうか、「自己評価」か。それならば、現代日本人の抱える問題と無…

『アウトサイダー・アートの世界――東と西のアール・ブリュット』はたよしこ編著(紀伊國屋書店)

→紀伊國屋書店で購入 「感性と知性のボーダレス」 港千尋(写真家・多摩美術大学教授) ブリュットというフランス語は、ふつう「自然のままの」「もとのままの」を意味する。たとえば原石、原油や粗糖など、原材料を指すいっぽう、総量、粗利益や総生産など…

『自分の体で実験したい――命がけの科学者列伝』L.デンディ& M.ボーリング著/梶山あゆみ訳(紀伊國屋書店)

→紀伊國屋書店で購入 「寄生虫学者は「変人」か」 藤田紘一郎(感染免疫学者) 『自分の体で実験したい』は、危険も顧みず、科学のために自分の体で実験した科学者や医学者たちのノンフィクションである。本書の「おわりに」と巻末の年表では、私自身のサナ…

『ナマコを歩く-現場から考える生物多様性と文化多様性』赤嶺淳(新泉社)

→紀伊國屋書店で購入 今年10月に名古屋で、生物多様性条約第10回締約国会議が開催される。「ラムサール条約やワシントン条約などの特定の地域、種の保全の取組みだけでは生物多様性の保全を図ることができないとの認識から、新たな包括的な枠組みとして提案…