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プロの読み手による書評ブログ

2011-08-31から1日間の記事一覧

『プリンセス・トヨトミ』万城目学(文春文庫)

→紀伊國屋書店で購入 「豊臣家と大阪城に捧げるメルヘン」 日本へ一時帰国すると、書店めぐりをしながら、今どんな本が注目されているのか、平積みになっている作品を見て歩くのが常となっている。売れているから読みたいとは思わないが、気になるタイトルや…

『理系白書―この国を静かに支える人たち』毎日新聞科学環境部(講談社文庫)

→紀伊國屋書店で購入 「科学技術への信頼を取り戻すために」 日本社会について、いったいどのような点を誇りと思うか、というアンケート調査の結果を眺めてみると、興味深い結果が見られる。政治や歴史と答える割合は低いが、経済はやや高く、そして科学技術…

『友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学』ロビン・ダンバー著/藤井留美訳(インターシフト/合同出版)

→紀伊國屋書店で購入 「友達は無限には増えないもの?」 本書は、進化心理学者として著名なオックスフォード大学教授、ロビン・ダンバーが専門的な見地を織り交ぜつつ記したエッセイ集である。 論じている対象は、友人関係や言語に始まって、文化や倫理・宗…

『電子書籍の衝撃―本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』佐々木俊尚(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

→紀伊國屋書店で購入 「ソーシャル系メディアはコンテンツ系メディアの救世主となりうるか」 本書については、やや批判的な書評などもネット上では散見されるようだが、評者はその内容を概ね肯定的に評価しているし、電子書籍をめぐる状況の進展(あるいはそ…

『”日常系アニメ”ヒットの法則』キネマ旬報映画総合研究所編(キネマ旬報社)

→紀伊國屋書店で購入 「“日常系アニメ”に関する総合的研究」 本書が取り上げている“日常系アニメ”とは、具体的な作品名で言うならば『けいおん!』『らき☆すた』といったような、ごく日常のことを、大きなメリハリもなく、淡々と描き出した一連のアニメのこ…