POP工房『ゆりかごで眠れ』(垣根涼介、中央公論新社)
「別の生き方はなかったのかと問われたら、そうとしか生きられなかったと答えるだろう。いくつもの曲がり角、右に逸れるか左に落ちるかの細い道。だけど選んできたのはいつも自分だった。他人のせいにする気は全くない。ツケを払わずにすむ人生などもはやないこともわかっている。」
静かに眠れるその日まで苛烈に生きた男の物語。
毒のように人を殺す孤独が胸に押し寄せてきて哀しかった。
それすら男は拒絶するのだろうと思うとなおさらに。
【新宿本店文学書売場POPより】