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プロの読み手による書評ブログ

復刊候補一覧② 《社会》

社会

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岩波書店

大正自由人物語 望月桂とその周辺

小松隆二

初版1988・最終版1988年◆四六判◆368頁◆予価3360円(本体3200円)

戦前、戦中、戦後をアナキスト、自由人として生きぬいた望月桂を中心に、大正デモクラシーの知られざる一面を新資料を駆使して鮮やかに再現。

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岩波書店

『キング』の時代 国民大衆雑誌の公共性

佐藤卓己

初版2002・最終版2005年◆四六判◆484頁◆予価4410円(本体4200円)

日本初の100万部を達成した伝説的「国民大衆雑誌」―その意味を近代日本史に位置づけ直す、参加=動員のメディア史。

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紀伊國屋書店

人間であるために

ルネ・デュボス/野島徳吉、遠藤三喜子訳

初版1970・最終版1983年◆四六判◆272頁◆予価2940円(本体2800円)

機械文明に埋没し、脱人間化された我々が〈人間らしさ〉を取り戻すためには、自らを創った環境を科学的に読む視点が肝要だと説く、ピュリッツァー賞受賞作。

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紀伊國屋書店

目覚める理性 人間のための科学

ルネ・デュボス/野島徳吉、遠藤三喜子訳

初版1971・最終版1971年◆四六判◆256頁◆予価2940円(本体2800円)

専門家の決定を盲目的にうける社会は、死にいたる社会である――世界的細菌学者が、現代社会における科学者の役割と義務、あるべき市民の姿を提示する。

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勁草書房

大衆操作の系譜

渋谷重光

初版1991・最終版1991年◆A5判◆276頁◆予価3675円(本体3500円)

広告や宣伝は、その本質において、まぎれもなく人々の心をつかみ、ゆさぶり、無意識のうちに一定の行動をとるよう指示する。大衆を操作する側の実態と論理の分析。

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勁草書房

セクシュアリティの歴史社会学

赤川学

初版1999・最終版2004年◆A5判◆500頁◆予価5775円(本体5500円)

近代日本のセクシュアリティ言説形成過程を、オナニーに関する言説に焦点をあてて素描する。理論的検討を尽くした方法論の確立を目指す。

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白水社

社会学 社会化の諸形式についての研究(上)

ゲオルク・ジンメル/居安正訳

初版1994・最終版2006年◆A5判◆417頁◆予価5880円(本体5600円)

社会学 社会化の諸形式についての研究(下)

初版1994・最終版2005年◆A5判◆412頁◆予価5985円(本体5700円)

多様な歴史的・社会的過程から抽出された「社会化の形式」の微視的な分析によって「形式社会学」を確立し、今なお斬新な視座を提示する名著の完訳。

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白水社

道徳的人間と非道徳的社会

ラインホールド・ニーバー/大木英夫訳

初版1998・最終版1998年◆四六判◆299頁◆予価3780円(本体3600円)

ヴェーバーの「心理倫理」と「責任倫理」の問題を克服し、倫理学政治学に新生面を拓いた不朽の名著。アメリカの政治的リアリズムの精神的源泉でもある。

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法政大学出版局

年齢意識の社会学

ハワード・P.チュダコフ/工藤政司・藤田永祐訳

初版1994・最終版1995年◆四六判◆350頁◆予価3780円(本体3600円)

人は、いつから誕生日を祝うようになったのか。アメリカの文化と社会における年齢の意味と役割の変遷をあとづける。

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法政大学出版局

国立公園成立史の研究 開発と自然保護の確執を中心に

村串仁三郎

初版2005・最終版2005年◆A5判◆428頁◆予価8925円(本体8500円)

国立公園の思想、設置構想をめぐる論争を経て、昭和6年、国立公園法が成立。主要国立公園の設立経緯や問題を環境経済学的視点から考察する。

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みすず書房

憲法

カール・シュミット/阿部照哉・村上義弘

初版1974・最終版2004年◆A5判◆496頁◆予価6825円(本体6500円)

ナチスの政治体制を理論的に支えた法学者が、近代の「市民的・法治国的」憲法の発展を思想史的・社会学的に考察し、その基本構造を鋭く分析する。

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みすず書房

近代史における国家理性の理念

フリードリッヒ・マイネッケ/菊盛英夫・生松敬三訳

初版1960・最終版2001年◆A5判◆632頁◆予価6825円(本体6500円)

国家行動への批判という問題意識に支えられた書。学問的に第一級のすぐれた古典的業績。ドイツの歴史学者が、マキアヴェリズムの思想史を論じる。

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みすず書房

国家とは何か 政治理論序説

A.P.ダントレーヴ/石上良平訳

初版1972・最終版2002年◆A5判◆320頁◆予価5775円(本体5500円)

「実力」「権力」「権威」の三つの視点からの独創的な研究。ギリシャ都市国家から、ローマ帝国、中世、近代国民国家にいたる国家の観念を考察する。

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未來社

国民国家と経済政策

マックス・ウェーバー/田中真晴訳

初版2000・最終版2000年◆四六判◆122頁◆予価2100円(本体2000円)

若きウェーバーの有名なフライブルグ大学教授就任講演。たんに政治論にかぎられず、没価値性理論の出発点であり、方法論的論稿の礎石をなす。

51

未來社

マックス・ウェーバー基礎研究序説

折原浩

初版1988・最終版1988年◆A5判◆340頁◆予価6090円(本体5800円)

マリアンネ・ウェーバーとウィンケルマンの遺稿編集における問題性を指摘し、ウェーバー比較宗教社会学体系の本来の姿を明らかにする。

52

未來社

都市的体験

フィッシャー/松本康、前田尚子訳

初版1996・最終版1996年◆A5判◆484頁◆予価7140円(本体6800円)

アメリカ都市論研究の第一人者による都市社会論の決定版。豊富な事例とデータにもとづき、都市文化のさまざまな可能性をも示唆するすぐれた概説書。