書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

〔2014復刊書目〕 哲学・思想・言語・宗教

『聖書の日本語 翻訳の歴史』鈴木範久(岩波書店

初版2006・最終版2008年◆四六判◆288頁◆税込3,672円(本体3,400円)

ISBN4-00-023664-4


現代日本語のもう一つの源──人と出来事でたどる聖書翻訳通史。文語訳に始まり新共同訳に至る、近代日本の埋もれた系譜。


『他者/死者/私 哲学と宗教のレッスン』末木文美士岩波書店

初版2007・最終版2007年◆四六判◆250頁◆税込3,024円(本体2,800円)

ISBN978-4-00-023777-2


他者あるいは死者とのかかわりの可能性を探りながら、「私とは何か」という問いを深めていく、思索のいとなみを示す。


『超自然的認識 改装版』シモーヌ・ヴェイユ/田辺保訳(勁草書房

初版1976・最終版1992年◆四六判◆424頁◆税込3,780円(本体3,500円)

ISBN978-4-326-15429-6


最後のノートからなる随想、草案、読書ノートなど。神秘主義的傾向、教会批判も一層明瞭に表われたヴェイユ思想の終着点を示す貴重な記録。


記号論理学』清水義夫(東京大学出版会

初版1984・最終版2003年◆A5判◆192頁◆税込2,376円(本体2,200円)

ISBN978-4-13-012018-0


論理学の初級コースの内容を平易に解説したテキスト。命題論理と述語論理から完全性定理やブール代数を経て、中級以上の議論につなげる。


『方法としての中国』溝口雄三東京大学出版会

初版1989・最終版2000年◆四六判◆320頁◆税込3,456円(本体3,200円)

ISBN978-4-13-013016-5


近代中国像は歪んでいないか。戦後の中国研究に視座の転換を迫り、アジアというもうひとつの世界イメージを提起する。


『道徳的人間と非道徳的社会』ラインホールド・ニーバー/大木英夫訳(白水社

初版1998・最終版1998年◆四六判◆299頁◆税込4,968円(本体4,600円)

ISBN 978-4-560-08366-6


ヴェーバーの「心理倫理」と「責任倫理」の問題を克服し、倫理学政治学に新生面を拓いた不朽の名著。アメリカの政治的リアリズムの精神的源泉でもある。


『『存在と時間』講義』J.グレーシュ/杉村靖彦、松本直樹、重道健人他訳(法政大学出版局

初版2007・最終版2007年◆A5判◆676頁◆税込12,960円(本体12,000円)

ISBN 978-4-588-15049-4


ガダマーやリクールの流れを汲む解釈学的現象学の立場から『存在と時間』とその「作業場」の姿を鮮やかに浮かび上がらせた画期的な注釈書。


ヘーゲル伝』カール・ローゼンクランツ/中埜肇訳(みすず書房

初版1983・最終版2001年◆A5判◆378頁◆税込5,940円(本体5,500円)

ISBN 978-4-622-01894-0


1844年に、ベルリン版ヘーゲル全集の補巻として刊行。同時代人による伝記。ドイツ観念論を継承発展させる過程を中心に、誕生から死までを描く。


『みる きく よむ』クロード・レヴィ=ストロース竹内信夫訳(みすず書房

初版2005・最終版2006年◆四六判◆244頁◆税込3,780円(本体3,500円)

ISBN 978-4-622-07181-5


創造の源泉とは? 芸術の普遍性とは? 文化人類学を率いた、20世紀ヨーロッパ精神を代表する知性の一人が、魅力豊かに「思考の快楽」へ誘う。


『関係としての自己』木村敏みすず書房

初版2005・最終版2009年◆四六判◆312頁◆税込3,456円(本体3,200円)

ISBN 978-4-622-07144-0


「私」とは何か。「自己」とは何か。豊富な臨床経験と、生命や存在への透徹した眼差しをとおして、そのあり方の謎に迫る、木村人間学の到達点。


『道徳情操論 上』スミス/米林富男訳(未來社)

初版1969・最終版1999年◆A5判◆382頁◆税込5,184円(本体4,800円)

ISBN 978-4-624-01026-3


スミスの体系において『国富論』に直接先行する古典の完訳。「行為の道徳的適正について」など、1〜3部を収録。


『日本中世の禅宗と社会』原田正俊吉川弘文館

初版1998・最終版1998年◆A5判◆498頁◆税込9,720円(本体9,000円)

ISBN 978-4-642-02768-7


日本の中世社会に大きな影響を与えた禅宗の実像を解明。禅と念仏・神祇信仰の関係、禅宗寺院の組織と仏事法会より中世後期仏教の特質を追究する。