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プロの読み手による書評ブログ

『ヘーヘーホーホー40年!』昭和のいる・こいる (ポニーキャニオン)

ヘーヘーホーホー40年!

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BGM(山崎まさよし/ドミノ)

「Head like a hole
 Maybe I'm all messed up
 それでも私、格闘技の味方です」

新年早々何ですけど、正直、突然生きているのがつらかったりします。
あまりにもまともなのかまともでもないのかのような生活をしてきて、正直こんなんではなかったはずだと悔いる事しきり、何を贅沢なと思うかもしれないですけど、今朝も一人飛び降りて下のベランダの手すりにぶつかる音で目が覚めた。

そんな妙にリアルな夢を見る。顔のすぐそばの登場人物も感触もリアルだったりする。これ以上書くとマズイので書かないですけど、気をつけることは死んではいけないこと、手すりでグッとこらえること、週末の睡眠薬をまとめて飲まないこと、車で突っ込まないこと。過激な文章は山ほどあって、書いては捨て書いては捨てとはこのこと。結局はジムで汗を流して、だから毎日がshow time。

ここはどこだ?今日はこれからどこに行って何が残っているんだっけ?大体今日はいつだったっけ?と、新幹線の中でも飛行機の中でもホテルでも、そして 自宅でもこのありさま。何か朝イチにやることあったはずだとか考えて、しばらくして休日だと思い出す。たたきつぶすような音を聴いて、微睡(まどろ)むような音を聴いて、それらをシャッフルまかせで聴いて、ようやくバランスを取り戻してshow timeに備える。世の中の全てが4〜50年位前に見えて、でも 50年経っても変らないだろうし、私はどうにもならない。どうにかしてくれ。

don't you f**king know what you are ?

・・・

柔道着を脱いだ吉田、着ていたらスタンドで小川か。

吉田のかかと固め、これも確かに来ていたし、そしてグラウンドの応酬。吉田 はガードポジションから腕ひしぎ。腕をロックされていたからタップも出来な い小川に、吉田は最後まではしめなかった。後はどうでもよくて、でも橋本が 何て言うか。それでも私、格闘技の味方です。村松友視さんのファンでもあります。人間風車ビルロビンソンとカールゴッチから別冊ゴング買ってたし。

2002年12月7日(土)寒い曇

奈良教育大にて「第12回非線形反応と協同現象シンポジウム」に参加。

夜、近くの寂びれた商店街、渡る世間の幸楽を暗くしたみたいな食堂でラーメンを食べる。油っぽい棚の上にあるTVで K-1 をやっていた。オイオイなんだよこれ、サップの目が行ってるよ、と上目遣いに口をあけたままラーメンの手が止まる。

Mr. Perfect ホースト負け上がりでバンナをOK、4度目の優勝。セフォもハントもレコもそしてピーターアーツも凄かった。オイオイいいのかよ、本気だぜ こいつら。ラーメンを食べ終わっても他にお客さんもいないし最後まで見続ける。気がつくと角野卓造さんみたいなお店の人も横のテーブルでTVを見上げていた。何か体がこわばっていたのに気がつく。いや〜凄い。でも何か良かった。

K1でもPRIDEでもいいから、とにかく圧倒的に強い奴が好きだ。桜庭でも藤原でもいいからとにかく最後までしめて落としてくれ。微睡みながらたたきつぶしてくれるなら最後まで見届けるから。

will you bite the hand that feeds you

or will you stay down on your knees ?

・・・

そして、その昔も今も、生まれ変わったらコメディアンになりたい気持ちに変わりはない。でも、枝雀を見ているとつらいし、こうまともな生活をエンジョイしてるかのようにすること自体、時々無理があって、それを思い煩う自分が いて、全てが夢のまた夢。年末年始と立て続けにお笑いも見るし、変に笑いすぎて何だかで、CMで駅伝と切り替えながら涙もろくて何だかで。

「ショウガナイ、ショウガナイ」

「いや、ショウガナイじゃないんだよ」

「ああ、そうはいかねえか、ダメだ、ダメだ、ダメだ、ショウガねえや、そんなもんでえ、ああそうか、なんだっていいや」

「お前なあ、自分の職業に誇りはねえのか?」

「それほどの仕事じゃねえもん」

「弱ったもんだね〜」

師匠はてんやわんやで、テンポはWけんじ、いとしこいし、か。

「お前はね、自分の主張ってのはねえのか?」

「自分の主張〜?んなもんねえな、あったってどうなるってもんでもねえしよ〜そんな偉かねえもん」

何回も見る、何回も何回も同じ落ちを繰返し見る

何か見なければいけないし、何かにかられて見る

アーティフィシャルな笑いが入るドラマにも似て

でも、何かこわばっていた体が徐々にゆるくなる

でも何か良かった

「世の中の全てが4〜50年位前に見えて、でも50年経っても変らないだろうし、私はどうにもならない。どうにかしてくれ。」

「いくら考えたってさあ〜、ダメなものはダメだよねえ〜、どうにもならねえんだから、ダメだ、ダメだ、ダメだ、ショウガねえや、そんなもんでえ、ああ そうか、なんだっていいや」

真顔で戻る舞台裏。昔、ジュリールイスもビルコスビーもそうだった。

そうか・・・

・・・

いつも行くCD屋で「今かかってる曲ください!」と買ったのがドミノで、ジャケ買いじゃなくて何て言うんだ?

主張なんか、んなもんねえな、と4〜50年生き長らえる極意。

死ぬ気になれば何でも出来そうだが、何か明日も死なないですむ気がする。ありがたい。

今朝はBjorkのライブでギターを弾く事になって、全然用意が出来てなくて困って目が覚めた。それもまた意味のある時刻キッカリに。まだましだ。いや全然ましだ。Bjorkと打合せも出来たし、何か良かった。


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