第6位 『スモール・プラネット』 本城直季
(リトル・モア/税込2,625円)
リアルな世界をウソっぽく写し出す写真家、本城直季氏。はじめてこの写真集を見た人は彼のことを「なんて精巧なジオラマを作る人なんだ!!!」と感動しショックを受けるだろう。しかし、そのショックは裏返される。ダブルショックだっ!!! なぜなら彼の写真はジオラマではなく、リアルな世界だからだ。“アオリ”という手法を使いウソっぽく世界を切り抜く。リアルな世界だと知った今でも、ページをめくるたび、そこには本城直季少年の部屋の中に作られたおもちゃの世界が広がっている。
(宇藤聡子・札幌本店)
一見すると、超精巧なミニチュア模型? でも、この本に収録された作品は、実はどれも現実の人・街・風景を写したもの。あえて“写実的でない”手法を用いることで得られた、手を伸ばせば触れられそうなほどの“実在感”。写真家、本城直季氏の視線の先に広がるのは、オモチャのようなホントの世界。見るほどに、きっとこの小さな世界の虜になることでしょう。
(頂 和之・MOVIX京都店)