『山古志のこどもたち』片桐恒平(小学館)
「中越地震復興応援写真集」
中越地震があった10月末、私たちは11月3日のイベントの準備におわれていた。
それは、いいお産の日のイベント。これから赤ちゃんを産む人、赤ちゃんを育てている真っ最中の人が集まるイベント。子育て支援と叫ばれているが、当事者だって、支援してもらうばかりではおかしい。
被災している地域の方々に、なにか、できないか?とくに、産前産後のものはすぐにでも欲しい人はいるだろうけれど、どこかにまとまって届いても必要な人に行き渡らないのではないか?物を送っても、現地のボランティアさんの負担を増やすだけだとも聞いている・・・
その思いを新潟・新津市の子育て支援センター「新津の森」の椎谷さんにぶつけたら、
「わかりました、現地でバザーを開いて現金化します!」とひきうけてくださった。
10月23日の地震発生。それからの呼びかけにもかかわらず、11月3日のイベント会場にはぞくぞくと子ども服などがあつまり、当日のカンパもあって11箱の段ボールを送ることができた。
その時お世話になった椎谷さんから、この本が届いた。
中越地震から1年5ヶ月、東京で暮らしていると、もうすっかり昔のことのように感じてしまっている自分がいる。
いくら復興が進んでも、きっと「元通り」という言葉はあり得ないのだろう。
どう感じ、どう過ごしているのだろう、そんなことを思っているところだった。
昭和の時代から村でこどものいる風景をとり続け、そして被災した後もその地の「日常」を切り取り続けた。
仮設住宅の前で一枚。こどもたちの笑顔は静かにちから強く、はげまされる。
生きること、こどもの暮らし。