『子育ての変貌と次世代育成支援』原田正文(名古屋大学出版会)
子育て支援にかかわる人の必携の書。と、勝手に思っている。
このごろでは行政の職員研修などにもよんでいただく機会が増えたので、せっせと紹介している。
子育て支援の担当者や専門家は、ちゃんと購入して活用すべし。
データの量に圧倒されるが、こつこつと丁寧に読み進めると、現在の子育て支援のあり方が明確になってくる。特にひろばの重要性、乳幼児期の人とのかかわりの大切さが、ひしひしと伝わる。
研究者がきちんとこうしてデータで検証してくれることは、現場の私たちへのエールだ。
上手に受け止めて実践していかなければと、心が引き締まる思い。
もちろん、いままでやってきたことの確認にもなる。
私たちのやってきたことは間違っていなかった。この方向性は正しかった。
そう思えるのはとてもうれしいし、励みになる。
子育ての変貌、とはよく言ったものだ。
そう、子育ては変貌している。
ただ「昔はよかった、あのころの地域を取り戻そう」、と号令ばかりかけても駄目。
こんなにも子どもを育てにくい環境であるということ
きちんと受け止めた上で、どうやっていくか考えたい。
子育ての変貌は、つまりは社会のSOSだ。
SOS、聞こえますか?
原田センセイのそんなつぶやきがきこえてきそうだ。