書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

『走れ!T校バスケット部』松崎洋(彩雲出版)

走れ!T校バスケット部

→紀伊國屋書店で購入

「げらげら笑って、ボロボロ泣いて。」

紀伊国屋の笹塚店に、ずっと平積みしてあるから、きっと沢山の人がファンなんだろうなぁ・・・と思いながらずっと横目で眺めていました。


そして、とうとう我慢できなくなって、1巻目を買ってしまいました。

次の日、続けて2巻3巻・・・と購入。

追いかけるように長男(小学校6年生)が読み始めました。

学校の友達にも持っていきました。

・・・と、極めて伝染力の強いストーリーです。

急ぎのお仕事があるお方は、要注意。

バスケットには何の思い入れも、経験も無い私ですが

体育館の、ボールをドリブルしている音や、

シューズがキュッとなる音や、

選手から立ち上る湯気のような熱気と汗が

すぐそこに息づいているような、生々しさを感じます。

じっくり腰をすえて読んでいられないというか

手に汗握って、落ち着かない気持ちも。

大好きな、憧れの先輩が試合でピンチの時って、

見たいけれど見ていられないじゃないですか。

顔を手で覆って、ああ、でも、指の隙間から見ずに入られない、

あんなカンジです。

とどのつまり

青春ってことでしょうかね。

そんな一言で片付けたくないのですが

それにつきる。

大掃除の合間になつかしいノートをみつけてしまって

散らかった部屋でつい、読みふける。

そんな気分で

この冬休みに、どうぞ。


→紀伊國屋書店で購入