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プロの読み手による書評ブログ

2007-07-11から1日間の記事一覧

『エリザベート ハプスブルク家最後の皇女』塚本哲也(文藝春秋)

『エリザベート』単行書を購入→ 『エリザベート』文庫(上)を購入→ 『エリザベート』文庫(下)を購入→ ソ連が崩壊し、ヨーロッパから共産圏が消滅し、欧州諸国が現在のように連携して通貨まで統一されるなど、誰に想像できただろうか。しかしそこに至るま…

『マイモニデス伝』A.J.ヘッシェル(教文館)

→紀伊國屋書店で購入 「アリストテレスと聖書の結婚」 マイモニデスは、ユダヤ思想家として名高いが、これまではぼくの知る限りでは邦訳もなく、どんな思想的な環境で思索を行っていたのか、少しぴんとこなかった。しかしキリスト教の哲学に大きな影響を与え…

『アートフル・サイエンス――啓蒙時代の娯楽と凋落する視覚教育』バーバラ・マリア・スタフォード(産業図書)

→紀伊國屋書店で購入 ●「蒙」を「啓く」/「網」を「開く」――エンライトメントとエンターテイメントのあいだ 18世紀の啓蒙主義時代に、文字でなく、視覚的なものが、人々の教育においてどのように用いられていたのかを問うこと。もし、本書に記されている内…

『ヴィジュアル・アナロジー つなぐ技術としての人間意識』バーバラ・マリア・スタフォード(産業図書)

→紀伊國屋書店で購入 ●「《観察/操作》としての一致」 「何かが他の何かに似ている…」とは、どれほど確実な認識方法なのか。美術史を専門とするバーバラ・マリア・スタフォードの『ヴィジュアル・アナロジー つなぐ技術としての人間意識』(2006年、産業図…