書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2007-07-31から1日間の記事一覧

『眼の誕生』 アンドルー・パーカー (草思社)

→紀伊國屋書店で購入 副題に「カンブリア紀大進化の謎を解く」とあるように、カンブリア爆発の謎に挑んだ本である。著者のアンドルー・パーカーは1967年生まれの動物学者であり、光スイッチ説を考えだした本人である。 パーカーはカンブリア爆発の本質をこう…

『スノーボール・アース』 ガブリエル・ウォーカー (早川書房)

→紀伊國屋書店で購入 スノーボール仮説とは先カンブリア代に地球が極度に寒冷化し、赤道地帯もふくめて地表すべてが数千メートルの氷におおわれるようなことがすくなくとも一度、最多で四度あったとする仮説で、日本語では「全地球凍結」という。2004年にNHK…

『無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法』勝間和代(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

→紀伊國屋書店で購入 「勉強の楽しさを思い出させる名著」 この1年ほど、仕事のノウハウを紹介した書籍、いわゆる「勉強本」を乱読してきた。「ライフハック」というキーワードで何冊か読み、ノウハウを取り入れた。システム手帳の使い方の解説本も読んだ。…

『質的研究の基礎――グラウンデッド・セオリー開発の技法と手順』アンセルム・ストラウス&ジュリエット・コービン[著]操華子・森岡崇[訳](医学書院)

→紀伊國屋書店で購入 「データを比較する」 質的分析に関して、現在最もシステマティックな方法として提示されているのがグラウンデッド・セオリー・アプローチです。 このアプローチは、B.グレイザーとA.ストラウスによる『データ対話型理論の発見――調…

『スナ-ク狩り』ルイス・キャロル[作] 高橋康也[訳] 河合祥一郎[編] (新書館)

→紀伊國屋書店で購入 虚無の大海もトリヴィア泉の一滴に発す マーティン・ガードナーのファンである。1914年生まれというから、少し頑張ってもらえばめでたい百歳も夢でない。アメリカ版・竹内均先生と大学生に紹介しても、肝心の竹内氏が科学雑誌『ニュート…

『残留日本兵の真実-インドネシア独立戦争を戦った男たちの記録』林英一(作品社)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 著者、林英一は、今春大学を卒業したばかりの1984年生まれである。卒業論文や学部学生時代の体…