書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2007-08-31から1日間の記事一覧

『根源の彼方に―グラマトロジーについて』 ジャック・デリダ (現代思潮社)

→『根源の彼方に―グラマトロジーについて』上 →『根源の彼方に―グラマトロジーについて』下 デリダを一躍有名にした初期の代表作である。ロゴス中心主義批判とか、フォネー批判とか、原エクリチュールなど、デリダのおなじみのスローガンはこの本に登場する。…

『Writing Systems』 Florian Coulmas (Cambridg University Press)

→紀伊國屋書店で購入 欧米人の書いた文字論は、ゲルプの先駆的かつ過激な仕事を別格とするとたいしたことはなく、特にインド以東の文字が弱いが、その中ではじめて納得できる本に出会った。フロリアン・クルマスの "Writing Systems"で、河野六郎の『文字論…

『長新太―ナンセンスの地平線からやってきた』土井章史・編(河出書房新社)

→紀伊國屋書店で購入 「チョーさんに恋する」 先日、長新太の回顧展をみた。題して、〈ありがとう!チョーさん 長新太展ナノヨ〉(於・大丸京都店 九月八日~十月八日まで、横浜そごう美術館にて開催)。 デビュー当時の漫画など初期の資料をはじめ、『はる…

『さかさまの世界-芸術と社会における象徴的逆転』 バーバラ・A・バブコック[編] 岩崎宗治、井上兼行[訳] (岩波モダンクラシックス)

→紀伊國屋書店で購入 人文学生のだれかれに、コピーして必ず読ませてきた バーバラ・A・バブコック(Barbara A.Babcock)という人類学者に興味を惹かれた頃のことが懐かしい。近代オリンピック成立の神話的背景を扱った大冊で騒がれたマカルーンという人が…