書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2007-11-29から1日間の記事一覧

『若者の労働と生活世界』本田由紀編(大月書店)

→紀伊國屋書店で購入 「排除される若者たちを知るために」 いま、若者がやり玉に挙げられている。中高年のインテリたちが、ストレス解消のために、あるいは出版社の要請に応えて書き散らしている若者バッシングを目的とした本がよく売れている。これらを「俗…

『多世界宇宙の探検』 ビレンケン (日経BP社)

→紀伊國屋書店で購入 著者のビレンケンは旧ソ連出身の宇宙論研究者で、本書はサスキンドの『宇宙のランドスケープ』とほぼ同じ立場で書かれている。「多世界宇宙」とはサスキンドのいう「メガバース」にあたり、そこに無数の「島宇宙」(サスキンドの「ポケ…

『宇宙のランドスケープ』 サスキンド (日経BP社)

→紀伊國屋書店で購入 「宇宙の風景(ランドスケープ)」というと比喩のようだが、ランドスケープとはひも理論の創始者の一人であるサスキンドが2003年に提唱した概念で、われわれが住んでいるような宇宙(「ポケット宇宙」と呼ばれる)を分類した一覧表をさ…

『こころを癒す音楽』北山修(講談社)

→紀伊國屋書店で購入 「精神科医も人の子だった。」 「オラは死んじまっただ~」のザ・フォーク・クルセダーズといえば、ある世代以上の人なら誰でも知っていると思う。加藤和彦らと共にそのメンバーであった北山修はその後、精神科医となり、現在は九州大学…