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プロの読み手による書評ブログ

2007-12-26から1日間の記事一覧

『インドの衝撃』NHKスペシャル取材班【編著】(文藝春秋)

→紀伊國屋書店で購入 「秒針に追われる強烈な生活それでもジェリー・ルイスは人が来ればいつも間抜けな顔をする」 水曜早朝、キューバのC首相の御子息と都内のホテルで朝食を取りながら会談。本人、側近、大使、そして私の4人。キューバの難しさ、科学立国…

『キャリアの社会学』辻勝次編著(ミネルヴァ書房)

→紀伊國屋書店で購入 主に聞き取り調査に基づく、4社の大企業で働く人々の職業経歴と職業能力についての重厚な報告である。 第1章と第2章は、それぞれコマツと島津製作所において「一品生産」に従事する、職人的性格の強い労働者を取り上げている。個々の…

『﨟たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』大江健三郎(新潮社)

→紀伊國屋書店で購入 「大江と長嶋」 さすが「文学界の長島茂雄」と言われるだけのことはある。今年になって二回ほど大江健三郎氏の講演を聴く機会があった。5月は勤務先の大学で「知識人となるために」という、どちらかというと学生を対象にしたテーマ。今…

『演出家の仕事』栗山民也(岩波新書)

→紀伊國屋書店で購入 [劇評家の作業日誌](33) 2007年8月をもって新国立劇場「演劇部門」の芸術監督の任期を終えた栗山民也氏が初めての著書を刊行した。題名もずばり『演出家の仕事』。7年にわたる彼の激務の一端を知るに格好の書だ。わたしも昨年、同名の…