書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2008-02-26から1日間の記事一覧

『史上最悪のインフルエンザ』 アルフレッド・W・クロスビー (みすず書房)

→紀伊國屋書店で購入 新型インフルエンザの関連でスペイン・インフルエンザが注目されているが、本書はスペイン・インフルエンザを歴史の観点からあつかった最初の著作である。初版刊行は1976年だが、30年以上たった現在でも読みつがれており、この分野の古…

『ワインと外交』西川恵(新潮新書)

→紀伊國屋書店で購入 「ワインから世界が見える!」 パリに住んでいるせいもあるのかもしれないが、我が家はお客さんが多い。旧生徒、知人、友人、親戚etc 夕食では当然のごとくワインをお出しする。若いお客さんならば、分かりやすい輪郭のはっきりしたワイ…

『明治前期の教育・教化・仏教』谷川穣(思文閣出版)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 近代教育と宗教の問題は、どこの国でも近代化論のなかで議論されてきたものと思っていた。とこ…

『フランス<心霊科学>考-宗教と科学のフロンティア』稲垣直樹(人文書院)

→紀伊國屋書店で購入 フーコーの「タブロー」が降霊会の「テーブル」に化けた 科学とは何か、その終わりない発展過程を見ていると、それが拠るとされる観察や客観性そのものが時代や文化に規定された「パラダイム」や「エピステーメー」の産物である以上、特…