書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2008-04-30から1日間の記事一覧

『チベット女戦士アデ』 アデ・タポンツァン&ジョイ・ブレイクスリー (総合法令出版)

→紀伊國屋書店で購入 1958年から1985年――26歳から53歳――までの27年間、獄中にあったチベット人女性アデ・タポンツァンの生涯をノンフィクション作家のジョイ・ブレイクスリーがまとめた本である。日本ではさっぱり売れなかったようだが、アメリカではベスト…

『チベットの核―チベットにおける中国の核兵器』 チベット国際キャンペーン (日中出版)

→紀伊國屋書店で購入 中国の核兵器というと、まず、新疆ウィグル自治区(東トルキスタン)が思い浮かぶ。中国は楼蘭遺跡で有名なロプノールの砂漠地帯を核実験場にして、46回の大気圏核実験をおこない死の灰を撒き散らした。ロマンあふれるシルクロードは実…

『医師アタマ――医師と患者はなぜすれ違うのか?』尾藤誠司編(医学書院)

→紀伊國屋書店で購入 「これからの「医師」像はどこへ?」 何度見ても可笑しい駄洒落のようなタイトルと、非常に重く大きな問題をストレートに表したサブタイトルとのコントラストが印象的です。この本は、プライマリ・ケアやへき地医療を経験した医師、そし…

『おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄)』ホイットマン 飯野友幸訳(光文社)

→『おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄)』 →“Leaves of Grass” 「ホイットマンをゆるす」 ホイットマンの名を聞いたことがないという人は少ないだろう。英語圏の詩人の中では、おそらくシェイクスピアについでもっともよく知られた存在である。小…