書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2008-09-03から1日間の記事一覧

『科学者として生き残る方法』フェデリコ・ロージ、テューダー・ジョンストン(著)、高橋さきの(訳)(日経BP社)

→紀伊國屋書店で購入 小学校・中学校・高校の先生になるためには、それなりの教育を受け実習もこなして、教職免許を取らなければならない。そのような関門があることは、煩わしいかもしれないが、先生になるために何をすればよいかが明確で、目標に向かって…

『男の隠れ家を持ってみた』北尾トロ(新潮社)

→紀伊國屋書店で購入 「ちいさな変化の大切さに気づく時」 結婚してから、既婚者の手によるほのぼのしたエッセイが気にかかるようになりました。大きな心境の変化です。独身のときは、同じように独身生活をしている人の書いたものにリアリティを感じていてい…

書店の中にある劇場、紀伊國屋ホールを知る5つのポイント

談 : 紀伊國屋ホール/サザンシアター総支配人・金子和一郎 紀伊國屋ホール前支配人・鈴木由美子 1) 紀伊國屋ホールの誕生と紀伊國屋演劇賞の創設 東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年。前川國男の設計で新築された紀伊國屋ビル(地上9階・地下2…

『百』色川武大(新潮文庫)

→紀伊國屋書店で購入 「孤独の共犯」 本書は、「連笑」「ぼくの猿 ぼくの猫」「百」「永日」の四つの作品を収めた作品集である。川端康成文学賞を受賞した「百」を銘打っての一冊で、この意表を突いた題名は、父親の届かんとする年齢を意味している。 色川武…

横内謙介 エッセイ

約30年前、先輩に連れられてぎっしりとお客が詰まった通路に体育座りして、つかこうへい事務所の「熱海殺人事件」を観た。当時、厚木の高校生だった私にとって、放課後に詰め襟姿のまま小田急に乗って大きな河を二つ越え、新宿に行くこと自体が決死の大冒…