書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2009-02-10から1日間の記事一覧

『シーボルトの眼 出島絵師川原慶賀』ねじめ正一(集英社文庫)

→紀伊國屋書店で購入 「いま、手元に『紅毛交接図』なる妖しげな絵図をひろげて、異装の男女が荒々しい房事にふける情景を鑑賞している。本書の冒頭にあるシーンをそのまま描いた図を、運よく書棚から拾い上げられたおかげで、本書を読むことが一段と楽しく…

『日本語が亡びるとき』水村美苗(筑摩書房)

→紀伊國屋書店で購入 「「帰国」を説明する」 依然として書店の平積みコーナーを占拠し続ける本書。つい最近も「ユリイカ」で水村特集が組まれたりして、日本文学と英語のかかわりにこんなみんなが関心を持つのは良いことであるなあ、と筆者などは職業柄つい…

『どこか或る家』高橋たか子(講談社文芸文庫)

→紀伊國屋書店で購入 「気になる女性」 女性にとってそのような男性が存在するものか分からないが、男にとっては不思議な存在となる女性がいるものだ。たまらなくその人に会いたい、会って色々な事を話してみたい。きっとその時間は素晴らしく甘美なものだろ…