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プロの読み手による書評ブログ

2009-05-31から1日間の記事一覧

『チョムスキーの「アナキズム論」』ノーム・チョムスキー、木下ちがや訳(明石書店)

→紀伊國屋書店で購入 北米の言語学者ノーム・チョムスキーが、言語学ではなく、広く政治、社会を論じ始めた1969年から2004年までの論考やインタビューから、アナキズムに言及したものを集め、時系列に編纂した発言集である。日本においても、ここ二、三年で…

『資本主義後の世界のために』デヴィッド・グレーバー、高祖岩三郎(以文社)

→紀伊國屋書店で購入 昨年の金融危機と呼ばれる未曾有の事態を受け、誰もが饒舌にそれを語り、「活発」な議論がなされている。数年前まで礼賛されていたはずの新自由主義経済への批判は所与のものとなり、経済、政治をはじめとする様々な学者、ジャーナリス…

新しいアナキズムの系譜学 高祖岩三郎(河出書房新社)

→紀伊國屋書店で購入 NYの活動家/批評家が、現在、世界で展開されているグローバル・ジャスティス・ムーブメントと呼ばれるラディカルな反資本主義、反権威主義運動を「新しいアナキズム」と名辞し、実践的、理論的にそれらをまとめあげた渾身の一冊である。…

『のりたまと煙突』星野博美(文春文庫)

→紀伊國屋書店で購入 写真家であり作家でもある著者の日常を綴ったエッセイ集。 「のりたま」とはふりかけにあらず、「のり」と「たま」、二匹の猫の名で、著者の両親の家で飼われており、そこにいたるまでの長い顛末には、星野博美という人のパーソナリティ…