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プロの読み手による書評ブログ

2011-04-30から1日間の記事一覧

『若者のトリセツ』岩間夏樹(生産性出版)

→紀伊國屋書店で購入 「社会学的なマニュアル本~若者を使いこなすために」 本書のタイトルにある「トリセツ」とは、取り扱い説明書の略である。だが、本書を読めば、たちどころに若者たちを取り扱うのがうまくなるかといえば、そうではないだろう。むしろ、…

『中央モノローグ線』小坂俊史(竹書房)

→紀伊國屋書店で購入 「鉄道マンガの新しい可能性として~見事にキャラ化された中央線の各駅」 空前の鉄道ブームが起こっている、と言われて久しいが、そうした中で、これまでにあまり関連を持たなかったようなジャンルにおいても鉄道の姿を目にすることが多…

『鉄道日本文化史考』宇田正(思文閣出版)

→紀伊國屋書店で購入 「鉄道文化史という壮大な試みへの序奏」 先月の東日本大震災は、語弊を恐れずに言えば、首都圏においては壮大な(負の)社会実験だったという側面を持つのではないだろうか。 評者自身、当日は「帰宅難民」の一人となったが、改めて日…

『増補版 時刻表昭和史』宮脇俊三(角川書店)

→紀伊國屋書店で購入 「「国敗れて、鉄道あり」~変わらずにあり続けるものがあたえてくれるもの」 本書のタイトルを文字通りに受け取るならば、時刻表そのものの歴史的変遷を記した書物を想像してしまうかもしれない。しかし、あとがきで「「私の」を冠すべ…

『名著再会 「絵のある」岩波文庫への招待』坂崎重盛(芸術新聞社)

→紀伊國屋書店で購入 本好きの友人にきくと、たいていみな、うんと小さな子どもころお気に入りだった思い出の絵本があって、自分から欲しいと申し出るまで、親から本を与えられた記憶のない私にはうらやましい話である。 しかし、そもそも私は絵本にあまり興…