第2位 『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦
(角川書店/税込1,575円)
この本を読むにあたっての注意事項。
1.電車内で読む場合は細心の注意を払ってください。
2.読中、鏡を見て笑い皺が増えていても本にあたらないでください。
3.読後、「ビバご都合主義!」と叫ぶのは心の中だけにしてください。
黒髪の乙女と彼女に恋する先輩、そして得体の知れない人々が京都の街中で繰り広げる珍騒動にお祭り騒ぎ。これをまだお読みでないそこのあなた!損しています、至福のひとときを。
〔本町店・中山文子〕
ああ会いたい!!黒髪の乙女に!!彼女を取り巻く愛すべき阿呆たちに!!女心を悶々と描く恋愛小説は数あれど、男心が悶々沸々と渦を巻き京都の空を奇想の雲で埋め尽くすなんて、それなりの人物達の仕業なのです。京都にて、乙女の闊歩に連なる妙な叡山電車を見かけたら、それが世界の入り口です。迷わず飛び乗るべし。
〔本町店・萩本愛子〕
今更、本作の面白さについて駄文を書き散らすことに何か意義があるのでしょうか。私はここで何を書き綴ろうとも、それは屁理屈やこじつけにしかならないのではないかという杞憂からどうしても逃れられないのであります。読者諸賢、勿論この文体の意図するところにはお気付きですよね?万が一、貴方が本作を面白くなかったと感じたら、私に「おともだちパンチ」を振るってください。甘受致します。
〔福岡本店・吉野達也〕