第1位 『出星前夜』 飯嶋和一
(小学館/税込2,100円)
書いてくれてありがとう。そんな気持ちになれる作家はあまりいない。飯嶋和一はそう思わせてくれる数少ない作家の一人だ。4年ぶりの新作のテーマは「島原の乱」。誰もが一度は耳にした変えられぬ史実から、飯嶋氏はいつも新たな事実を教えてくれる。一作読むと虜になることまちがいなし。ぜひ仲間になってほしい。
〔名古屋名鉄店・松倉桑子〕
「黄金旅風」から4年、待ち焦がれた新刊の重さはなんと600グラム!島原の乱をテーマに権力者たちの愚劣ぶりを痛烈に描くが、叛乱軍を美化せず、その崩壊を緻密にたどりながら、ドロップアウトした寿安に希望を託すところがすばらしい。重さ以上に充実の大傑作!!
〔梅田本店・星 真一〕