第16位『私のいない高校』青木淳悟
(講談社/1,680円)
わからない。小説なのかわからない。誰が語っているのかわからない。色々わからない。でも、わからないことが楽しい。なにより、こんな小説が生まれてしまったことが楽しい。―――青木さんは、日本文学界における突然変異型の特殊小説家、だと思いました。この本を読んで、小説の概念がぶっ壊れました。そして、日本語で書いてあるのになんだか掴みきれない感じが日本文学というより外国文学のような距離感で、ほんとうに不思議な小説です。
〔新宿本店・今井麻夕美〕