2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 「晴れたお彼岸には小津安二郎が観たい」 映画監督・吉田喜重による小津安二郎論である。初版1998年。いくつかの賞も獲った名著の誉れ高い本である。しかし、名著という言葉から想像されるような、記述の古典的均整といったものからは程…
→紀伊國屋書店で購入 だって 文具売り場って ある種の郷愁がありますでしょう 鉛筆の箱やノートや下じきやサインペンや そんなもの みているだけで ときどき気持ちがピリッとひきしまりますものね 「郷愁」と「ピリッとひきしまる」は ちょっと結びつかない…
→紀伊國屋書店で購入 「忘れていた本当のおいしさと豊かな生活」 スピード料理の本を探していたら、妹に「はい、これ」と手渡された。 食べ盛りの息子がいつも腹ペコだから(信じられないくらい食べる!)、窓の外が暮れてくると夕餉の支度が気になりそわそ…
→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 第4章「選挙のアナーキー」は、つぎの引用文ではじまる。 「マヌエル坊やが墓石に座って泣い…
→紀伊國屋書店で購入 「重量小説」 総ページ488。最近の純文学系の小説としては長い。重さにして740グラム。小型のペットボトルなら二本以上だ。このペットボトル二本分以上の本書を筆者は一ヶ月間にわたって鞄に入れ続け、通勤時に少しずつその頁をめ…
→紀伊國屋書店で購入 あの『GS』テイストは今吹かれると一段と気持ちいい 当連載においてここ数回、一昔前に出た素晴らしい本が今年2007年に次々と復刊、重版され再び活字として読めるようになって、という紹介をしてきた。ぼくの趣味も当然あるが、シヴェル…
→紀伊國屋書店で購入 水、水を! 言葉の粒で目詰まりした詩人の身体 平田さんの詩をはじめて知ったのは『(お)もろい夫婦』で、六本木の青山ブックセンター、向かって右、階段の横にあった詩の棚だったと思う。可笑しいのに嫌みがなくてスタイリッシュ、そ…
→紀伊國屋書店で購入 あまりにもみごとに閉じた<開け>の本 ロザリー・L・コリーといえば、ルネサンス後半(今日流にいうマニエリスム)におけるパラドックスの各局面での大流行を、ことに英国について論じた決定的な仕事であまりにも有名な研究者である。…