書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2007-12-25から1日間の記事一覧

『プレカリアート』雨宮処凛(洋泉社新書)

→紀伊國屋書店で購入 「貧乏階級のマリアの爽快な闘争記録---でも、勝てるのか?」 気がつくと、格差社会の本ばかり読んでいる。今回も、前回で紹介した『若者の労働と生活世界』、『新しい階級社会 新しい階級闘争』に続いて格差モノだ。 プレカリアート…

『医療・合理性・経験――バイロン・グッドの医療人類学講義』バイロン・J・グッド(江口重幸・五木田紳・下地明友・大月康義・三脇康生訳)(誠信書房)

→紀伊國屋書店で購入 「「説明モデル」から「物語」へ」 前回(2007年10月)の当ブログで、A.クラインマンの「説明モデル(explanatory model)」概念をご紹介しました。この概念を一歩進めて「物語」という言葉を導入したのが、バイロン・グッドです。 私…

『南総里見八犬伝 名場面集』湯浅佳子(三弥井古典文庫)

→紀伊國屋書店で購入 シンプル・イズ・ベストを「発犬」させる一冊 ただ目に付いた本をてんでんばらばらに取り上げるのなら何もぼくがやることもない当書評空間なので、マニエリスムや、かつて「専門」ということになっていた英文学畑、技術史、文化史と何冊…

『Fair Game』Valerie Plame Wilson(Simon & Schuster)

→紀伊國屋書店で購入 「映画化も予定されているブッシュ政権との戦いのメモワール」 2006年7月、元アメリカ外交官だったジェセフ・ウィルソンは『ニューヨーク・タイムズ』紙にブッシュ政権がイラク戦争に対する情報操作をおこなっているという記事を寄…