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プロの読み手による書評ブログ

2008-09-30から1日間の記事一覧

『昭和を騒がせた漢字たち』 円満字二郎 (吉川弘文館)

→紀伊國屋書店で購入 『人名用漢字の戦後史』の円満字二郎氏が昨年出した本である。『青い山脈』の「變文」騒動から幻の煙草「宙(おおぞら)」まで、漢字がからんだ事件をとりあげ、背景にある国民の文字意識を自由と平等の相克という視点から考察している…

『漢字は日本語である』 小駒勝美 (新潮新書)

→紀伊國屋書店で購入 昨年、新潮社から『新潮日本語漢字辞典』というユニークな漢和辞典が出た。普通の漢和辞典は漢籍を読むための辞典で、用例も漢籍からだが、この辞典は『日本語漢字辞典』を名乗ることからわかるように、日本語に使われる漢字を調べるた…

『G8サミット体制とはなにか』栗原 康(以文社 )

→紀伊國屋書店で購入 今年、7月7日から9日まで、北海道洞爺湖でG8サミット(主要国首脳会議)が開催された。1999年、シアトルのWTO会合が大規模な抗議行動によって中止に追い込まれて以降、2001年、イタリア・ジェノバ、2003年、フランス・エヴィアン、2005…

『「悪なき大地」への途上にて』ベアトリス・パラシオス(現代企画室〔発売〕)

→紀伊國屋書店で購入 ボリビア・ウカマウ集団の映画プロデューサー、ベアトリス・パラシオスが、1979年から2003年までに書き綴った18の文章をまとめた遺稿集である。ベアトリスは、2003年7月、病気治療でキューバに向かう飛行機で亡くなった。自身初の監督作…

『戦争の記憶-日本人とドイツ人』イアン・ブルマ(ちくま学芸文庫)

→紀伊國屋書店で購入 昨年の夏、本書とともにフランクフルト行きの飛行機に乗るつもりだった。都合でドイツ行きはかなわなかったが、本書を携えてドイツを旅行すれば、ドイツがより理解できるだけでなく、自国である日本のことを再考するいい機会になると思…