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プロの読み手による書評ブログ

2008-10-31から1日間の記事一覧

『輝く断片』 シオドア・スタージョン (河出書房新社)

→紀伊國屋書店で購入 大森望氏の編纂による日本オリジナル短編集で八編をおさめる。本邦初訳は三編、単行本初収録が一編である。同じ編者の『不思議のひと触れ』はイノセントな作品が中心だったが、こちらは鬼畜系である。スタージョンにはイノセントな面と…

『不思議のひと触れ』 シオドア・スタージョン (河出書房新社)

→紀伊國屋書店で購入 大森望氏編纂による日本オリジナル短編集で十編をおさめる。早川書房から邦訳の出ていた『奇妙な触れ合い』の新訳かと思ったが、重なっているのは二編だけだ。本邦初訳は三編、単行本初収録が二編で、半分は定評のある作品の新訳だった…

『海を失った男』 シオドア・スタージョン (河出文庫)

→紀伊國屋書店で購入 若島正氏の編纂による日本オリジナル短編集である。親本は2003年に晶文社から出たが、現在は河出文庫で入手可能。本書の成功のおかげで他の本の出版や復刊が実現したわけで、スタージョン・ルネサンスの端緒を作ったといえる。 八編をお…

『やさしいベイトソン』野村直樹(金剛出版)

→紀伊國屋書店で購入 「生物+環境こそ生存の単位、それが生き延びる、考える、進化する」 グレゴリー・ベイトソンの思考から、しばらく遠ざかっていることに気づき、あの着想の鉱脈めがけてまた潜っていきたいと思っていたちょうどそのとき、この本に出会っ…