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プロの読み手による書評ブログ

2010-05-31から1日間の記事一覧

『誰も読まなかったコペルニクス』 ギンガリッチ (早川書房)

→紀伊國屋書店で購入 科学革命の端緒となったコペルニクスの『回転論』は1453年の初版が273部、1566年の第二版が325部残っているが、著者のギンガリッチは世界中を飛びまわって現物にすべてあたり、本の現状と来歴、補修の有無、書きこみを調べ、2002年に『…

『経済は感情で動く――はじめての行動経済学』マッテオ・モッテルリーニ著、泉典子訳 (紀伊國屋書店)

→紀伊國屋書店で購入 「経済は「勘定」で動く?」 勝間和代(経済評論家) 伝統的な経済学は、「合理的経済人」を前提としている。すなわち、常に情報を正確に収集し、判断ミスなく、感情のぶれなく、自分の損得を正しく計算し、答えを出す、『スタートレッ…

『極東ホテル』鷲尾和彦(赤々舎)

→紀伊國屋書店で購入 「現代社会の肖像か? それとも人間の普遍的肖像なのか?」 「極東ホテル」という名前のホテルが実在するわけではない。だが、どこかにありそうな気持ちにさせるところが、この写真集のタイトルのうまさだ。時代のズレを感じさせる懐か…

『生命保険のカラクリ』岩瀬大輔(文芸春秋)

→紀伊國屋書店で購入 「自動車と家は買わないが、保障は買いたい、という若者に読んでほしい」 生命保険に加入しているすべての人にとっての必読書である。 著者は、日本初のインターネット生命保険「ライフネット生命」の副社長。わずか創業2年でぐいぐい業…

『人間の将来とバイオエシックス』ユルゲン・ハ-バマス(法政大学出版局)

→紀伊國屋書店で購入 「ブレーブ・ニューワールド時代の哲学」 クローン人間だけでなく、両親が生まれてくる子供のための善を祈って遺伝子操作を行えるようになる時代がもう間近に迫っている。こうした「ブレーブ・ニューワールド」(ハクスレー)を前にして…