書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2012-02-29から1日間の記事一覧

『昭和ちびっこ未来画報—ぼくらの21世紀』初見健一(青幻舎 )

→紀伊國屋書店で購入 「未来の子供たちはこんな道具で遊んでるんだ!」ドラえもんはよく言います。ものすごい技術を集結してつくられたはずの「タケコプター」も「どこでもドア」も22世紀では子供の遊び道具。未来ってすごいなあ! 1980年代に子供時代を過ご…

『富士塚ゆる散歩―古くて新しいお江戸パワースポット』有坂蓉子(講談社)

→紀伊國屋書店で購入 江戸の町のことを思うとき、まっさきに心に浮かぶのは、空気のおいしさ、そして、何にも遮られることのない富士の眺めだ。今の私たちとはくらべものにならないくらい、江戸の人たちは富士山と親密だったろう。けれども、実際に富士を詣…

『パリ南西東北』ブレーズ・サンドラール著 昼間賢訳(月曜社)

→紀伊國屋書店で購入 「写真に触発されてパリ郊外を歩いたドキュメント」 買って!買って!と声高に叫ぶ昨今の書籍とちがい、『パリ南西東北』というタイトルといい、白地にその文字をあしらった簡素(で簡潔)な装幀といい、きわめて控えめな書物だが、ここ…

『弔辞 劇的な人生を送る言葉』文藝春秋編(文春新書)

→紀伊國屋書店で購入 「メディアとしての弔辞」 私事になるが、先日弔辞というものと向き合う機会があった。辞書を引くまでもなく、弔辞とは「死者を弔うことば」のことである。冠婚葬祭のマナーについて書かれたサイトや書籍は数多く存在しており、そこでは…

『男子校という選択』おおたとしまさ(日本経済新聞出版社)

→紀伊國屋書店で購入 「ホモ・ソーシャリティにアイデンティティ形成の基盤を求めるという選択」 本書は、育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、男女共学化が進む今日においてもなお、いわゆる中高一貫男子校に進学することのメリットを説いた著作…