書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2014-04-19から1日間の記事一覧

『2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する』 『エコノミスト』編集部 (文藝春秋)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 英国の『エコノミスト』誌が総力をあげておこなった未来予測で、原著は2012年に出ている。 冒頭で「世界人口にまつわるトレンドは、残りの章のほとんどに影響を与える」と宣言しているように、人口動態論による予測が軸となって…

『今井顕よりごあいさつ』

2005年4月に《書評空間》が開設されて以来、細々とながらも継続して投稿して参りました。 当初は投稿の頻度も文の長さも手探り状態でしたが、そのうち「無理してもしょうがない」と思いなおし、毎月1冊のペースを維持することを目標にしました。月に1冊は決…

『現代の起点 第一次世界大戦』山室信一・岡田暁生・小関隆・藤原辰史編(岩波書店)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 2014年は、第一次世界大戦開戦100年目にあたる。ヨーロッパを中心に、それにちなんだ企画が、つぎつぎにおこなわれはじめている。日本でも、いくつもの出版が出はじめている。本シリーズ全4巻は、7年間に100を超える研究会の成…

『外交官の誕生-近代中国の対外態勢の変容と在外公館』箱田恵子(名古屋大学出版会)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 日本とアメリカのTPP(環太平洋経済連携協定)交渉が、長引いている。かつて、交渉力のない国は不平等条約を押しつけられたり、拒否して軍事力で受け入れさせられたりした。しかし、それが将来の紛争の原因のひとつになったこと…

『ケータイの2000年代―成熟するモバイル社会』松田美佐・土橋臣吾・辻泉【編】(東京大学出版会)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「モバイル社会はどのように成熟していくのか」 日本社会でケータイの本格的な普及が進んだのは1990年代中盤以降のことである。すでにそれから20年近くがたとうとしており、今では大学生たちも、ほぼ100%がケータイを持ち、その…

『穴』小山田浩子(新潮社)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「現実への深い理解が生み出す幻想譚」 日本中にうんざりするほど均一な風景が広がっている。全国展開のスーパーやチェーン店やコンビニ、その店頭に立っている原色の幟、同一規格の建材で造られた注文住宅やビル。目立つことを…

『友活はじめませんか?―30代からの友人作り』木村隆志(遊タイム出版)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「再帰化する友人関係」 本書のタイトルに含まれている「トモカツ」という言葉。これは決して人の名前などではない。漢字をあてはまると「友活」、すなわち「友達活動」の略である。 基となっているのが「婚活」という言葉であ…