2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 「表紙は原爆ドーム」 没後7年、山田風太郎の人気は落ちない。つい先ごろも『サライ』が「山田風太郎の恬淡哲学」なる特集を組んでいた。風太郎ぐらい寿命の長い作家は少ない。代表作である忍法帖シリーズが『甲賀忍法帖』をもって始ま…
→紀伊國屋書店で購入 「物騒な絵空事」 毎日のニュースでは物騒な事件に事欠かない。身内と身外を問わず、こどもたちが流血の惨事を繰り広げている。物騒であろうがなかろうが、空想と現実には連なりこそあっても、大きな懸隔があるはずなのに、そう信じるこ…
→紀伊國屋書店で購入 地域や社会によっては、ある特定の時代や地域だけを取りだして考察しても、さっぱりわからないことがある。本書で取りあげられている地域に近い西ボルネオの日本占領期に起こった虐殺事件を考察したとき、すくなくとも200年は遡らないと…
→紀伊國屋書店で購入 「客観的記述から浮き彫りになるアメリカの男と女」 なんとも不思議な本の登場である。「ネットで出会うアメリカの女と男」というサブタイトルは、ある程度内容を伝えてはいるものの、本書を読んで感じとったものはもっと多様で豊かだ。…
→紀伊國屋書店で購入 [劇評家の作業日誌](39) 劇作家・太田省吾さんが亡くなられてから、早いもので一年余が経った。その追悼の意もこめて、この8月、金沢の前衛劇集団新人類人猿による『プラスチック・ローズ』(若山知良演出)が金沢芸術村で上演された…
→紀伊國屋書店で購入 「ずるい本」 ほんとうはこの本、筆者が書評に取り上げるべきでないのだろう。 竹内氏は筆者の大学時代の同級生であり、テニスのお師匠さんであり(「お、あべ~、スピンかかるようになったじゃん!」というような青春のひとコマがあっ…
→紀伊國屋書店で購入 「先輩だったかもしれない人」 最近、戦後日本を代表するノンフィクション作品を生み出した2人の作家の伝記が、出版界の片隅で、ひっそりと出版された。1冊は、上野英信の伝記『闇こそ砦』(川原一之著、大月書店)である。みずからも…
→紀伊國屋書店で購入 「アフリカの視えない力」 暑い夏を乗り切るには、ここでないどこかに心を飛翔させるのがいちばんである。昨夏はボサノバを作ったアントニオ・カルロス・ジョピンの評伝を読み、夕暮れの海辺の情景や、テラスでの食事や、くっきりした日…
→紀伊國屋書店で購入 「見逃した風景をとどめるために」 数年前、アメリカ・カリフォルニア州に住む友人から子供が生まれたという知らせを受けた。そしてその愛くるしい男の子が、ダウン症であるということも。その知らせをうけたわたしは、無事に彼女の出産…