書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2008-11-25から1日間の記事一覧

『鶴見和子を語る----長女の社会学』鶴見俊輔・金子兜太・佐々木幸綱著(黒田杏子編)(藤原書店)

→紀伊國屋書店で購入 「おまんじゅうの番付を作る姉」 先日、父親が亡くなってお通夜を経験した。家庭では見せなかった父親の姿や、自分の生まれる前のことについて聞かせてもらったのはたいへんありがたいことであった。 この本は、2006年、88歳で亡くなっ…

『ある日の村野藤吾 建築家の日記と知人への手紙』村野敦子:編(六耀社)

→紀伊國屋書店で購入 「手入れ人の記録」 2008年8月2日〜10月26日に東京・汐留の松下電工汐留ミュージアムで開かれた「村野藤吾——建築とインテリア」展は、「SECTION3 建築家の内的世界」に愛読書や日記、手帳も展示されていて印象的だった。ぼろぼろになっ…

『最期の教え』ノエル・シャトレ(青土社)

→紀伊國屋書店で購入 「母が予告した死までのカウントダウン」 ある著名な作家の妻がこう言った。 「車椅子の生活になるくらいだったら死んだほうがまし。」 昔、脇役女優だったこともある彼女は、注意深い自然食主義のおかげなのか、今でもその美貌は色あせ…

『フレンチの達人たち』宇田川悟(幻冬舎文庫)

→紀伊國屋書店で購入 「食」は文化の大きな柱のひとつとして古今東西、常に歴史とともにあった。中でもフランスのそれは単なる“食事”と片づけけられぬ、至福の調和に満たされた食文化の頂点を担うものとして、現在もファンが多い。 本格的なフレンチディナー…

『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』町山智浩(文藝春秋)

→紀伊國屋書店で購入 「ブッシュ政権の暗闇時代を笑うべし!」 アメリカという国はじつに面白い。 21世紀型の世界恐慌の震源地として世界中の金融システムを揺るがせている。 国内産業の要である自動車、保険、銀行が破産寸前にまで追い込まれている。 ア…

『論点解説 日経TEST-あなたの経済知力を磨く』日本経済新聞社編(日本経済新聞社)

→紀伊國屋書店で購入 「日経TESTはじまる」、そんなCMが聞こえてきた。はじめ何気なしに聞いていたが、ひょっとしたら大きなきっかけになることかもしれないと思うようになった。新聞社としては、購読者の減少を食い止めるための1方策かもしれないが、大学教…