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プロの読み手による書評ブログ

2011-09-30から1日間の記事一覧

『くうねるところにすむところ:家を伝える本シリーズ26 おひとりハウス』篠原聡子(平凡社)

→紀伊國屋書店で購入 建築家が、子どもたちに向けて、さまざまな切り口から「家」を伝える絵本のシリーズ。 1994年、著者がはじめて設計した集合住宅「コルテ」は、ワンルームマンションだが、同じ部屋が一列にならぶだけの味気ないプランでは寂しいと、中庭…

『遠野モノがたり』小坂俊史(竹書房)

→紀伊國屋書店で購入 「遠野には「何か」がある」 岩手県遠野市といえば、良く知られた場所である。およそ100年まえに柳田國男がまとめた『遠野物語』の舞台であり、それもあってか多くの文化人がこの地を訪れたり、また、平地と山地が適度に混ぜ合わさった…

『大奥』よしながふみ(白泉社)

→紀伊國屋書店で購入 「リアルな社会変動を描きだした歴史マンガ」 本作は、2011年に第56回小学館漫画賞(少女部門)を受賞したマンガであり、また2010年には嵐の二宮和也主演で映画化されている。すでに広く知られた作品であり、それに対する評価などもあま…

『若者の介護意識―親子関係とジェンダー不均衡』中西泰子(勁草書房)

→紀伊國屋書店で購入 「他人事では済まされない一冊」 今日の日本社会では、少子・高齢化が進んでいて、老親扶養や介護が喫緊の課題であることは疑うまでもない。近年では、ようやく制度面での整備(介護保険など)も進められてはきたものの、対応が後手に回…

『アンアンのセックスできれいになれた?』北原みのり(朝日新聞出版)

→紀伊國屋書店で購入 「恋愛・性愛至上主義を相対化するために必読の一冊」 本書は、フェミニストであり、女性のためのアダルトグッズショップの代表も務めている北原みのり氏が、雑誌『an・an(以下、本書にならって“アンアン”)』を、その創刊号から読み直…