書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2011-11-30から1日間の記事一覧

『ラーメンと愛国』速水健朗(講談社現代新書)

→紀伊國屋書店で購入 ラーメン屋でラーメンを食べることがない私にとっても、昨今のラーメン屋店主にみられるあの妙な職人気質は、メディアを通して知られるところである。 『ラーメンと愛国』、このタイトルから直ちに頭に浮かんだのは、本書において〝作務…

『東京都北区赤羽』清野とおる(Bbmfマガジン)

→紀伊國屋書店で購入 「最近の若者は海外に興味がなさすぎる!」と、息巻いているコメンテーターをテレビで時々見かけます。中高年の男性が多いですね。「最近の若者は海外旅行しない。留学もしない。車にも乗らない。酒も飲まない。だから日本が駄目になる…

『北沢恒彦とは何者だったか?』編集グループSURE・編

→紀伊國屋書店で購入 「知を求めて生き書いた男の生涯」 ある人物について「何者だったか?」と問いかけるとき、世間にその人のステレオタイプなイメージが流布している場合が多い。たとえば、ヒットラーとは何者だったのか?というように。元があるからそれ…

『ビューティビジネス――「美」のイメージが市場をつくる』ジェフリー・ジョーンズ(中央経済社)

→紀伊國屋書店で購入 「なぜシャンプーは世界中に広まったのか」 本書は、2010年にイギリスで出版されたBeauty Imagined: A History of the Global Industryの日本語版である。そこでメインテーマとされているのは日本語版のタイトルになっている「ビューテ…

『憂国のラスプーチン』原作・佐藤 優、作画・伊藤潤二、脚本・長崎尚志(小学館)

→紀伊國屋書店で購入 「愛国と、個人でいることとは矛盾せず」 本書は、元外交官の佐藤優氏の体験を元に、事実に基づいたフィクションとして描かれたマンガである。東京地検特捜部に逮捕され、拘置所での取り調べ過程とともに、外交官時代のエピソードが時折…

『わが輩は「男の娘」である!』いがらし奈波(実業之日本社)

→紀伊國屋書店で購入 「『ジェンダー・トラブル』よりも刺激的、『妄想少女オタク系』以上にリアル」 「男の娘」とは、「2次元用語であり、女の子のように可愛い女装少年を指す」言葉であり、本書は「無謀にもそんな次元の壁を越えようと日々努力する、二十…