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プロの読み手による書評ブログ

2012-08-31から1日間の記事一覧

『高橋留美子傑作短編集〈2〉〈保存版〉る-みっくわ-るど』 高橋留美子 (小学館)

→紀伊國屋書店で購入 高橋留美子氏の初期短編をまとめた『高橋留美子傑作短編集』の第二巻で1980年から1984年にかけての作品が収められている。冒頭の「炎トリッパー」以外は発表順になっており、シリアスな作品とコミカルな作品をほぼ交互に発表していたこ…

『高橋留美子傑作短編集〈1〉〈保存版〉る-みっくわ-るど』 高橋留美子 (小学館)

→紀伊國屋書店で購入 高橋留美子氏は1978年に「勝手なやつら」で第2回小学館新人コミック大賞少年部門をとり「少年サンデー」からデビューした。すぐに『うる星やつら』を描きはじめるが、『うる星やつら』は当初は不定期連載であり、連載とは別に月刊の「少…

『THE BOOKS -365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」』ミシマ社(編)(ミシマ社)

→紀伊國屋書店で購入 本が売れない時代だといわれます。出版業界は縮小の一途だそうです。人々が本を読まなくなったからでしょうか。みんな忙しいですからね。本を読む暇なんて刑務所にでも入らなければ捻出できない。そんな人もいるでしょう。それとも本が…

『鉄道と国家-「我田引鉄」の近現代史』小牟田哲彦(講談社現代新書)

→紀伊國屋書店で購入 「鉄道と政治の切っても切り離せない関係」 面白かった、そして考えさせられた。というのが本書の感想だ。 著者の小牟田哲彦氏については、アジア圏の鉄道について書かれた良質なルポルタージュで名前を知っていたのだが、本書について…

『東京シャッターガール』桐木憲一(日本文芸社)

→紀伊國屋書店で購入 「プリコラージュとしての東京」 「東京とは何か?」「それはどんな街か?」と聞かれても、答えに困ることだろう。 そこにはいくつもの特徴があるし、あるいはまた、人によっても感じ方が異なっているからだ。 よくある旅行ガイドの類い…

『社会学の方法-その歴史と構造』佐藤俊樹(ミネルヴァ書房)

→紀伊國屋書店で購入 「社会学のマージナリティ 」 「社会学って何なの?」とは昔からよく聞かれる質問である。 多くの社会学者が経験していることだろうが、「文学部社会学科」のような専攻に所属していると、「社会科学なのか、人文科学なのか、ハッキリし…

『ベッカー先生の論文教室』 ベッカー,ハワード・S.【著】 小川 芳範【訳】 (慶應義塾大学出版会)

→紀伊國屋書店で購入 「書きたい論文を書くための希望の書」 本書は、『アウトサイダーズ-ラベリング理論とは何か』(新泉社)などの著作で知られる社会学者、ハワード・S・ベッカーが記した論文執筆の指南書である。初版は1986年に出ているが、その後も読…