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『かがくのとも500号記念 かがくのとも復刻版全50冊』福音館書店(福音館書店)

かがくのとも500号記念 かがくのとも復刻版全50冊

→紀伊國屋書店で購入

「「かがくのとも」が、好きだった。」

復刻の大ニュース!


急いで予約をしなくては!

こどものとも」と一緒に、毎月本屋さんが届けてくれた。

我が家の玄関に、50CCバイク、(カブ)がとまり、

本屋さんが降りてきて、荷台のケースの幌をあけると、

わたしたちの分が取り出される。

玄関で母がお金を払っている間、

とにかく、後ろでうずうずと待っている。

妹と取り合うようにして、読んだ。

その風景が、今でも鮮やかに記憶に残っている。

その本屋さんは、

小学校のそばの商店街のなかの小さな本屋さん。

私たちが大きくなったころ、

本屋さんは店をたたんでしまったけれど

おじさんは、駅前にできた紀伊国屋書店に就職したらしく、

すましてベストを着て、まだまだ現役で働いていて、

本を買いに行くと、

なんだかくすぐったい気持ちだったのを覚えている。

だってさ、絵本読んでたあの子達が

こんなオマセに自分で本を買いに来るなんてさ、

と思われてるんじゃなかろうかって、

なんだか気恥ずかしかったのだ。

おじさんは、私たちの絵本の歴史を知る人だったんだなぁ。

今回の復刻のなかでも、

嬉しかったのは安野光雅さんの数学絵本!

「ふしぎなきかい」は、何度も何度も、少し大きくなってからも取り出してきて読んだ絵本だったなぁ。

自分が子育てをはじめて

「ちいさなかがくのとも」

がだされていることを知り、

定期購読が、また、始まったのだった。

薮内さんの本が第一号だったんだ、とか

五味太朗さんのデビュー作はかがくのともだったんだ、とか

そんな小ネタにもほほう、と思いながら

復刻、ありがとうございます。

たのしみに、待ってます。

大事にします。


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