書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2011-06-30から1日間の記事一覧

『フィギュールⅡ』 ジェラール・ジュネット (書肆風の薔薇)

→紀伊國屋書店で購入 1969年に刊行されたジュネットの第二評論集である。『フィギュールⅠ』から3年しかたっていないが、方向性がずいぶん違っている。Ⅰでは18編中12編が作品論・作家論で、6編が批評論だったが、Ⅱでは比率が逆転し作品論・作家論は10編中3編…

『起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと』磯崎哲也(日本実業出版社)

→紀伊國屋書店で購入 「気合いのはいった失業者に一番必要な書籍」 本書を読んで、起業するときに必要な知識・常識がやっと分かった!! 著者の磯崎哲也氏は、公認会計士であり、日本のベンチャー起業家を財政面で支えてきたプロ。ビジネスやファンナンスを…

『災害ボランティアの心構え』村井雅清(ソフトバンク新書)

→紀伊國屋書店で購入 「ボランティアの背中を押してくれる良書」 いい新書だと思った。 新書ブームの昨今、新しい事象に関する手短な分析を手軽に読むことの恩恵をこうむってきたのも確かだが、安直な著作の多さにうんざりしかけてもいた。 だが本書は、まさ…

『必要か、リニア新幹線』橋山禮治郎(岩波書店)

→紀伊國屋書店で購入 「今、求められるべき思考法を教えてくれる良書~リスク社会論の実用的な好例として」 いい本に出会ったと思った。論ずべきテーマについて、今まさに求められるべきスタンスから論じている良書だと思った。 昨今、ワンショットのテーマ…

ジンピクフェア 中間売り上げ発表

どうも。ピクウィック・クラブです。 今回も人文書宣言×ピクウィックフェア、通称ジンピクについて紹介していきたいと思います。 早いもので今年も既に半分が経過してしまいました。 6月はじめより開催しておりますジンピクフェアも無事一ヶ月を迎え、先週発…

『手招くフリーク 文化と表現の障害学』倉本智明 編集(生活書院)

→紀伊國屋書店で購入 「アルビノの「美」は本当に発見できたのか。」 障害者を巡る言説について障害学の立場からアプローチした論文・批評集である。ここでいう障害学とは、障害者をめぐる社会現象を、障害者という当事者の立場から研究しようという学問的な…

『鉄道と日本軍』竹内正浩(ちくま新書)

→紀伊國屋書店で購入 「鉄道は国家なり」 学問上の恩師とも言うべき人にこう言われたことがある。「社会(科)学を学ぶものは、一度は軍隊と戦史について学んでおくべきだ。なぜなら、軍隊は合理的な近代組織の一つの典型であり、戦史はその実地における活動…