2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 本書は、2001年に初版が出版されたテキストを、全面的に書き改めた第3版である。執筆者総勢26…
→紀伊國屋書店で購入 書名の『医療立国論』は、いわずもがな『医療亡国論』に向けて一石投じてやろうという著者の意気込みを端的に表している。著者の大村昭人氏は、巻末の履歴によれば、帝京大学医学部名誉教授で、現在も医療技術学部臨床検査科で教鞭もと…
→紀伊國屋書店で購入 「心中にみるカタルシスと救済」 時代は日中戦争の勃発する1937年。男は満州へ配属された20代の日本人士官。女は16歳の満州の娘。二人はお互いの素性も国籍も名前すらも明かすことなく、灼熱の広場で、基盤を挟んで、連日の対局に向かう…
紀伊國屋創業80年記念・連続セミナー“9 days talk live” 第75回新宿セミナー@Kinokuniya 高山宏トークライヴ 「学魔・高山宏、知の系譜と人文科学の未来を語る」 2007/9/8(土) 13:00~15:40 新宿・紀伊國屋ホール 上記トークライヴは盛況のうちに終了しま…
→紀伊國屋書店で購入 「日常」と「非日常」をつなぐ砂時計の首をみる愉しみ 花柄の、やや厚みのある紙でくるまれた表紙に、金色の手書き文字で描かれたタイトル。本文はごくシンプルにタイピングされている。なんども開閉されたのだろう、角という角はみな丸…
→紀伊國屋書店で購入 「ギリシアをめぐるメタナラティブ」 本書は京都大学学術出版会のシリーズ「諸文明の起源」の第七冊目にあたる。このシリーズは廉価な価格設定で、考古学的な発見を中心に、新しい知見が確認できるので、お勧めである。本書は、古代のギ…
→紀伊國屋書店で購入 二度目読むときは、巨匠の手紙のとこだけね 20世紀後半、人文科学・社会科学が猛烈に面白くなった状況を反映し、というか演出しさえした象徴人類学のチャンプ、山口昌男の、初速から爆走までずっと四十年、直近で伴走した岩波書店編集者…
→紀伊國屋書店で購入 「理想の教師像とは何か」 どこの国でも教育問題は重要だが、私の住むフランスでも、常に種々の報道がなされている。現在注目すべきは、今春の選挙で新大統領となったサルコジ氏の政策の行方だ。教職員の数を減らしながら、現場を訪れて…
→紀伊國屋書店で購入 「私のなかの「カトリ」と「アンナ」」 海辺のちいさな村。観光客がやってくるのは夏のあいだだけで、長い冬には訪れるひともなく、村は雪に閉ざされる。 カトリは弟のマッツとくらしている。村ではよそ者のしるしとされる漆黒の髪と、…
→紀伊國屋書店で購入 十字架にロバがかかったイコン、きみはどう説明する? 現代文化の異貌を16世紀マニエリスムに遡って淵源をさぐる時に、ロバという動物象徴にぶつかることがよくある。一番強烈な例がシェイクスピア喜劇"A Midsummer Night's Dream"『夏…
→晩夏〈上〉を購入 →晩夏〈下〉を購入 「偉大な退屈読本」 もう何年前のことだったろうか、アメリカのニュース週刊誌『タイム』だったと思うけれど、有名な小説作品を最後まで読み通すことができた読者の割合を調査してグラフ化していた。ガルシア・マルケス…
→紀伊國屋書店で購入 「文化人類学のわかりやすい展望」 最近どうも文化人類学の分野で目立った本がないと考えていた。もちろんレヴィ=ストロースの『神話論理』はやっと翻訳が出始めたが、神話学の詳細な分析は、文化人類学の本来の分野とは少しずれている…
→紀伊國屋書店で購入 「アル・ゴアの次女が書いた政治ラブ・コメディ」 ハーバード大学卒業。在学中に大学ユーモア雑誌『ハーバード・ランプーン』誌の編集長を務める。そして、エディー・マーフィーやトム・ハンクスなどを輩出したTVコメディ番組『サタデー…
→紀伊國屋書店で購入 「私たちは差別意識を持っているか?」 私の勤務する国際学校では、 島崎藤村の『破戒』を毎年10年生(高校1年生)時に扱っている。同和問題に対する理解だけではなく、広く「差別」というものについて考えて欲しいからだ。その時に「あ…