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プロの読み手による書評ブログ

世界ランキング

皆様大変長らくお待たせ致しました。

一時は永遠に続くかとも思われた集計もようやく終了し、

いよいよランキングを発表する準備が整いました。

集計方法は例によって文庫本1冊=1ポイント、

単行本1冊=3ポイントとしています。

初めての栄冠は誰の手に?

さあ、今ここに、

ワールド文学カップ世界ランキングを公表致します!

ワールド文学カップ世界ランキング

集計期間:4/1~5/17

【ワールド文学カップ世界ランキング】

第1位 130pt エロスの大国フランス

第1位 130pt 子ども心の国ドイツ

第3位 123pt 短篇小説ランドアイルランド

第4位 118pt 反逆の国アメリカ

第5位 117pt 狂気の温床フランス

第6位 110pt 笑いの帝王イングランド

第7位 107pt ウリポを生んだフランス

第8位 105pt バベルの図書館アルゼンチン

第9位 103pt 魔法の右足コロンビア

第10位 100pt すべりまくりウクライナ

第11位 99pt 言語の国ハンガリー

第12位 95pt 禁じられたチェコ

第13位 90pt Road to 2014 現代日本

第14位 87pt ロマンスの宝庫イングランド

第15位 83pt カルヴィーノ万歳イタリア

第16位 81pt カテナチオイタリア

第16位 81pt 諸外国の文学:タイ

第18位 78pt 怪奇の源泉イングランド

第19位 76pt 解放されたいロシア

第20位 75pt フーリガンだらけアルゼンチン

第21位 69pt 驚異の2トップキューバ

第22位 68pt アメリカ最先端

第23位 64pt 戦争に次ぐ戦争アメリカ

第24位 60pt 郷愁を誘うイラン

第25位 59pt 抑圧されたアフガニスタン

第26位 56pt 異物との遭遇ポーランド

第27位 55pt 神と悪魔の宿るドイツ

第28位 54pt 欧阿の狭間でアルジェリア

第28位 54pt 葛藤せめぎ合うイスラエル

第28位 54pt 文明の衝突するインド

第28位 54pt 世界に伝わるポルトガル

第32位 52pt 加速していくスコットランド

第33位 51pt ザ・ルーツ ナイジェリア

第34位 49pt ロシア黄金時代

第35位 47pt 酒と妖怪の国中国

第35位 47pt 細く長くチリ

第37位 43pt 窒息する土地アメリカ南部

第38位 42pt ムーサよ語れギリシャ

第39位 39pt 開催国南アフリカ

第40位 37pt できるだけカフカ集成

第41位 36pt 死んでも蘇るメキシコ

第42位 35pt 19世紀末オーストリア

第43位 33pt 劇場としてのドイツ

第44位 31pt 諸外国の文学:カナダ

第45位 30pt 諸外国の文学:アルバニア

第45位 30pt 諸外国の文学:ルーマニア

第47位 27pt 悪女の巣窟フランス

第47位 27pt 諸外国の文学:トルコ

第49位 23pt 諸外国の文学:フィンランド

第50位 22pt 諸外国の文学:ウェールズ

第51位 19pt 芸術と頽廃の国オランダ

第52位 18pt 諸外国の文学:オーストラリア

第53位 15pt 諸外国の文学:ベトナム

第54位 14pt 諸外国の文学:ウルグアイ

第55位 12pt 1930年代スペイン

第55位 12pt 諸外国の文学:グアテマラ

第55位 12pt 諸外国の文学:コンゴ共和国

第55位 12pt 諸外国の文学:トリニダード・トバゴ

第55位 12pt 諸外国の文学:ブルガリア

第55位 12pt 諸外国の文学:ペルー

第61位 9pt 諸外国の文学:エルサルバドル

第61位 9pt 諸外国の文学:セネガル

第61位 9pt 諸外国の文学:モロッコ

第64位 6pt 諸外国の文学:エジプト

第65位 5pt 諸外国の文学:スリランカ

第65位 5pt 諸外国の文学:デンマーク

第67位 4pt 諸外国の文学:ベルギー

第68位 3pt 諸外国の文学:スウェーデン

第68位 3pt 諸外国の文学:ニュージーランド

第68位 3pt 諸外国の文学:仏領マルティニーク

【得点王】

57冊 ミヒャエル・エンデ『モモ』

   (所属チーム 子ども心の国ドイツ)

【MVP】

ラッタウット・ラープチャルーンサップ『観光』

(所属チーム 諸外国の文学:タイ)

ご覧の通り、記念すべき第一回ワールド文学カップの栄冠は、130ポイントずつを叩き出した「エロスの大国フランス」と「子ども心の国ドイツ」の2チームが同着にて獲得することとなりました。なんたる接戦! 10位までの各チームがもれなく100ポイント以上を獲得していることにも、開催者自身舌を巻きました。売上冊数が最も多かったのはエンデの『モモ』(57冊)で、この本がこんなにも多くの人の手に渡ったことを心から嬉しく思います。MVPに選出したのはたった一人で「諸外国の文学:タイ」を牽引したラッタウット・ラープチャルーンサップ。他にも選出にふさわしい選手は多すぎるほど沢山いましたが、『観光』が叩き出した27冊という売上冊数は、このブログやTwitterなどを通じて多くの方と共有することができた興奮の象徴とでも呼ぶべきものです。内容の素晴らしさだけでなく、その伝播する過程の素晴らしさが受賞の理由となっています。

以下は、各ベストイレブンの発表です。「ワールド文学カップ」は獲得ポイント数の上位11名を、全て文庫で統一した「往年の名選手たち」と「日本文学代表選抜会」は売上冊数の上位11名を選出しています。第1位に輝いた選手のみがフォワードとして登録されており、2位から11位まではピクウィック・クラブが恣意的にポジション設定をしました。

【ワールド文学カップベストイレブン

FW:ラッタウット・ラープチャルーンサップ『観光』

MF:レーモン・クノー『文体練習』

MF:A・C・スウィンバーン『フロッシー』

MF:ミヒャエル・エンデ『モモ』

MF:ホルヘ・ルイス・ボルヘス『伝奇集』

MF:フェルナンド・ペソア『不穏の書、断章』

DF:ジェローム・K・ジェローム『ボートの三人男』

DF:エーリヒ・ケストナー飛ぶ教室

DF:ルイス・キャロル『スナーク狩り』

DF:アンドレイ・クルコフ『ペンギンの憂鬱』

GK:ピエール・モリオン『閉ざされた城の中で語る英吉利人』

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【往年の名選手たちベストイレブン

FW:ジョージ・オーウェル『一九八四年』

MF:テッド・チャンあなたの人生の物語

MF:サキ『サキ短編集』

MF:ニコルソン・ベイカー『中二階』

MF:ポール・ヴァレリームッシュー・テスト』

MF:エイミー・ベンダー『燃えるスカートの少女』

DF:アラン・シリトー長距離走者の孤独』

DF:ロバート・A・ハインライン夏への扉

DF:J・K・ユイスマンス『さかしま』

DF:J・D・サリンジャーフラニーとゾーイー

GK:カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』

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【日本文学ベストイレブン

FW:円城塔Self-Reference ENGINE

MF:久生十蘭久生十蘭短篇選』

MF:小栗虫太郎黒死館殺人事件

MF:夢野久作『瓶詰の地獄』

MF:横光利一『上海』

MF:尾崎翠第七官界彷徨

DF:大江健三郎『性的人間』

DF:古井由吉『野川』

DF:武田百合子犬が星見た

DF:色川武大『怪しい来客簿』

GK:町田康『告白』

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さあ、いよいよお別れの時が近づいてまいりました。

最後に、今回の大会で販売することのできた書籍の冊数を掲示したいと思います。

ワールド文学カップ:2525冊

往年の名選手たち:1633冊

日本文学代表選抜会:2084冊

読書案内:177冊

総計:6419冊

「文学は売れない」という出版業界全体で唱えられている文句がまやかしでしかなく、「活字離れ」という言葉が政治家の詭弁に過ぎないことは、ここに端的に表れていると思います。ピクウィック・クラブが証明したかったこと、それを証明してくれた沢山の方々に、ここに記して感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

ワールド文学カップはこれにて閉幕となりますが、ピクウィック・クラブは次のフェア開催に向けて既に動きはじめています。とはいえ毎度のことながら準備に異常に時間がかかるので、気長にお待ち頂ければ幸いです。ご期待下さい。