早瀬晋三
→紀伊國屋ウェブストアで購入 2014年は、第一次世界大戦開戦100年目にあたる。ヨーロッパを中心に、それにちなんだ企画が、つぎつぎにおこなわれはじめている。日本でも、いくつもの出版が出はじめている。本シリーズ全4巻は、7年間に100を超える研究会の成…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 日本とアメリカのTPP(環太平洋経済連携協定)交渉が、長引いている。かつて、交渉力のない国は不平等条約を押しつけられたり、拒否して軍事力で受け入れさせられたりした。しかし、それが将来の紛争の原因のひとつになったこと…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 この事典は、項目の性格からすくなくとも二通りの利用の仕方がある。ひとつは、これまでの研究成果を理解するために読む、ストックの情報としての利用の仕方である。もうひとつは、現状を理解するために読む、フローの情報とし…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「なぜ、自民党は長期にわたり政権を担当できたのか」という幅広の帯にある問いに、著者、小林英夫は「はじめに」で、つぎのように答えている。「まずは保守系の多彩な人材を抱えてきた、あるいは吸収しつづけた、その力をあげ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「9・30」と聞いて、すぐにわかる人はそれほど多くないだろう。それが、「世界を震撼させた日」であると言われても、怪訝に思うだけである。本書の核心は、そこにある。これほど重要な日であるにもかかわらず、事件が起こったイ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「幸せ」ってなんだろう。だれもが考えることに、本書は経済学の立場から答えてくれる。ただし、こうすれば「幸せになれる」という指南書ではないことは、言うまでもない。著者、橘木俊詔は、「著者からのメッセージ」でつぎの…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書は、この40年余に書かれた詩篇とエッセイからなる。著者、森崎和江の書いたものは、時代を感じさせない。当然、40年、30年前に書かれたものには、その当時の時代背景がある。しかし、それをいま読んでも時代遅れと感じさせ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 ショッピングモールの店頭に宮崎あおいの写真がある。店内にも、いくつか写真のパネルがある。自然と「ヒマラヤほどの消しゴムひとつ・・・」というCMが浮かんでくる。宮崎あおいが、歩きながら、鉄棒にぶら下がりながら、草野…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 なぜ、領土問題は解決しないのか、本書を読めばわかる。だが、本書を読んでも、領土問題の解決の糸口どころか、ヒントも得られない、というのは言い過ぎだろうか。「領域権原および領域主権をもつことができるのは国家のみであ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「エリア・スタディーズ」シリーズも、2013年に126冊になった。とりあげる国や地域は、「現代」を冠したものもあり、その目的や読者対象がさまざまで一律ではない。本書は、日本で「ニュースになる機会は多くない」「ラオスを知…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 現在の国名は、ミャンマー連邦共和国。2010年からの正式名称である。1989年に国名がビルマからミャンマー、首都名がラングーンからヤンゴンに変わったことは知っていても、1948年の独立後正式名称が何度も変わり、国旗のデザイ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 日本の約3分の2の国土に、わずか632万人(2008年)が居住するラオスに注目するのは、それなりに訳がある。因みに、ラオスは、6億を超す東南アジアのなかでも、シンガポール、ブルネイ、東ティモールを除けば、人口のもっとも少…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「陸は海を支配する」「国際法が主権国家の合意により形成される」ということを、基本に本書は書かれている。この大前提が近代の所産であり、これを変えなければならないと思う。「近代国際法の父」といわれるオランダのグロテ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 記憶喪失や殺人といった非日常的なことが、テレビドラマなどで頻繁に都合よく使われる。現実味の乏しい設定に、うんざりすることもある。そんな記憶喪失も、「虚構の世界、たとえば小説に描かれるようになったのはさほど古いこ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「捨て石」ということばが気になった。第4章「冷戦の<要石>と<捨て石>」の「おわりに」で、著者、石原俊は、つぎのように繰り返し「捨て石」ということばを使っている。「小笠原諸島・硫黄諸島はアジア太平洋戦争において、…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 こんな本が、東南アジア各国・地域の人、あるいは東南アジア出身の人によってもっとたくさん書かれれば、東南アジアのことがもっとよく理解してもらえるのに、とまず思った。つぎに、こんな本を書いてみたいとも思ったが、外国…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 著者、本名純の専門は、「インドネシア政治・東南アジア地域研究・比較政治学」である。欧米をモデルとした近代政治学ではない。著者は、終章「民主化のパラドックス-アジア政治の深層をみる目」をつぎのことばで結んでいる。…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「中国では、なぜ抗日をテーマにした映画・ドラマが製作されつづけるのか?」「中国人が抱く日本へのネガティヴなイメージを作り上げた根本的な原因が、両国のあいだの政治的摩擦よりも、そもそも日中の歴史問題にあったのはい…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「アジア主義」を、まず世界史のなかに位置づけたこと、さらに今日の地域主義と結びつけて時事問題を考えるためにも有効であることを示したことが、本書の特徴であり貢献である。日本学術振興会科学研究費補助金(基盤A)助成…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 校長先生の自転車をくせ毛の細身の少年が懸命にこいでいる。荷台には、小柄な少年が顔を空に向け、目をつむって両手を広げている。右手には、チョークの箱を持っている。こいでいるのが、本書のおもな語り部であるイカル、荷台…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 朝日新聞DEGITALは、10月23日につぎのように報じた。「韓国教育省は21日、いったん検定に合格した8社の高校用歴史教科書について、日本の植民地支配や北朝鮮などに関する記述を変更するよう求めた。合格後、一部の教科書につい…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書を読んで、韓国は日本の植民地支配や従軍慰安婦問題など、日本にとっての負の歴史を持ち出して批難・攻撃する資格はない、などと考える人は、これからのグローバル化した協調社会のなかで生きていくことを、自分自身で難し…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「ラオス人民民主共和国、通称ラオスは、東南アジアに位置する共和制国家。国土面積は236,800平方㎞。内陸国であり、北に中華人民共和国、西にミャンマー、東にベトナム、南にカンボジア、タイと国境を接する。首都はヴィエンチ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「国籍の異なる12名のヨーロッパ人歴史家たちが何度も討議を重ね、その上で共同執筆されたヨーロッパ史の教科書」である『ヨーロッパの歴史』(ドルーシュ編、東京書籍、1998年)では、第一次世界大戦後のヨーロッパに訪れた新…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 第一次世界大戦中に民族自決が唱えられ、帝国から解放された民族を中心とした近代国民国家が成立して「めでたしめでたし」、という国民教育のための近代史が単純に語れないことが、本書からわかる。 オーストリア=ハンガリー二…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「忘却のさせられかた、記憶のさせられかた」とも読めた。本書は、『敗北を抱きしめて』の著者ダワーが、1993年以降に発表したエッセイ・評論に、それぞれ自ら書き下ろした解題をつけた論集である。そのときどきに書いたものは…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「二〇年経った」で始まる本書は、『エビと日本人』(岩波新書、1988年)の続編である。著者、村井吉敬は「この二〇年、エビとそれを取り巻く世界もかなり大きな変化に見舞われた。その変化が何なのか、そのことを本書のなかで…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書が出版された1988年に、『あるくみるきく』が廃刊になった。民俗学者、宮本常一が所長を務めていた日本観光文化研究所から1967年に創刊された雑誌である。研究所も翌1989年に解散した。「あるく」「みる」「きく」は、宮本…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 まず、いろいろ学ばなければならないことがたくさんあることを教えられた。第Ⅰ部「「戦争」研究の系譜と社会学」では、「この分野を切り拓いてきた代表的な研究者」から、「自らの学問を生み出すに至った経緯やその社会的・学問…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書は、序章と7章からなり、書き下ろしの序章と補足した第七章を除いて、大幅な書き換えをおこなっていない論文集である。著者、小林英夫は、本書の目的を、つぎのように説明している。「一八九五年の日清戦争後に台湾を領有し…