2008-01-01から1年間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 ―未罪への遡及― 診察室で出会う人たちが読書家と知ると、「今、何を読んでいるの?」と尋ねないではいられない。先日、ある青年に恒例の質問をしたら、「『国富論』と『論語』を読んでいます」という返事が返ってきた。彼は、古今東西の…
→紀伊國屋書店で購入 「写真集のような小説、または新しい記録文学」 『星のしるし』は原稿用紙にして250枚足らずの量で、レイアウトもゆったり組まれていて、目の負担も少なく、すらすらと読めそうな感じなのだが、読みはじめてみると意外にも時間がかかる…
→紀伊國屋書店で購入 「女の子と読書」 女の子の読書史、女の子にとって本とは、読書とはいかなるものであったか、という問題がつねに私の興味のなかにはある。少女小説や少女雑誌の研究というものはすでに存在するが、それらメディアがどのような影響をおよ…
→紀伊國屋書店で購入 「ビジネスに、投資に、就職・転職活動に…… すぐに役立つ活用法!」 表紙にこんな宣伝文句が載っている。かつて、家庭の通信費は新聞代と電話代、郵便代くらいだった。それが、いまや携帯電話代とインターネット代に食われ、郵便代は意…
→紀伊國屋書店で購入 「ウソのつき方、つかせ方」 続けて読むと食傷気味になるけど、しばらく読まないでいると、ちょっと恋しくなる。太宰治はそんな作家かなあと思う。決してこってりした文章ではなくて、むしろ淡泊の部類に入るのかもしれないけど、何かく…
新宿本店・新宿南店の各フロアで開催中の「〈熱き時代〉の新宿、新宿の〈いま〉」ブックフェア。 その取り扱い書籍一覧を公開いたします。 各売場の担当者がそれぞれ下記のテーマで選書しました。 新宿の地から発信されてきた数々の文化を紹介しています。 …
→紀伊國屋書店で購入 独特な本である。何が独特かと言うと、まずもって訳者たちの姿勢がである。翻訳書には珍しく、訳者のひとりによる長い(20頁もある)まえがきがついている。それだけでなく、翻訳部分のあとに、他のふたりの訳者もそれぞれ「論点提起」…
→紀伊國屋書店で購入 シケた日にはこんなふうに日記を書けるようになりたい 「もうひとつの国へ」なんて、きざなタイトルで反吐が出る。帯にはもうひとつのきざ。 「火曜日、記すべきことなし、存在した。」というのは、ジャン・ポール・サルトル「嘔吐」の…
→紀伊國屋書店で購入 [劇評家の作業日誌](41) この本の題名『おかしな時代』とは何を意味しているのだろうか。まずこのタイトルに、わたしは引っかかりをおぼえた。 本の原形は「本の雑誌」に4年にわたって連載(2004年4月号~2008年7月号)さ…
→紀伊國屋書店で購入 歴史学を勉強したことのある者なら、本書のタイトルがE. H. カーの有名なことば「歴史とは現在と過去の対話である」をもじったものであることは、すぐにわかるだろう。本書は、紀伊國屋書店書評ブログ「書評空間」に掲載してきた書評が…
→紀伊國屋書店で購入 外国に住んで新聞を読む程度ではどうもその意図や感覚がピンと来なかったが、かつて小泉旧政権下ではコンテンツ立国などということが言われていたように思う。例年その多忙さと、ミーティングに次ぐミーティングの連続に疲労困憊してし…
→紀伊國屋書店で購入 大森望氏の編纂による日本オリジナル短編集で八編をおさめる。本邦初訳は三編、単行本初収録が一編である。同じ編者の『不思議のひと触れ』はイノセントな作品が中心だったが、こちらは鬼畜系である。スタージョンにはイノセントな面と…
→紀伊國屋書店で購入 大森望氏編纂による日本オリジナル短編集で十編をおさめる。早川書房から邦訳の出ていた『奇妙な触れ合い』の新訳かと思ったが、重なっているのは二編だけだ。本邦初訳は三編、単行本初収録が二編で、半分は定評のある作品の新訳だった…
→紀伊國屋書店で購入 若島正氏の編纂による日本オリジナル短編集である。親本は2003年に晶文社から出たが、現在は河出文庫で入手可能。本書の成功のおかげで他の本の出版や復刊が実現したわけで、スタージョン・ルネサンスの端緒を作ったといえる。 八編をお…
→紀伊國屋書店で購入 「生物+環境こそ生存の単位、それが生き延びる、考える、進化する」 グレゴリー・ベイトソンの思考から、しばらく遠ざかっていることに気づき、あの着想の鉱脈めがけてまた潜っていきたいと思っていたちょうどそのとき、この本に出会っ…
→紀伊國屋書店で購入 うっかりしていたが、ずっと絶版だったスタージョンの本が相次いで復刊され、日本で編まれたオリジナル短編集が四冊も出ていた。ついこの間まで古書店で法外な値段がついていた『スタージョンは健在なり』は『時間のかかる彫刻』と改題…
→紀伊國屋書店で購入 「「タブーなきジャーナリズム」という実現困難な課題をビジネス化する」 不可能を可能にしようと挑戦する人が好きだ。 本書を執筆した渡邉正裕は、私の大好きな男のひとりである。そのビジネスの舞台である、MyNewsJapanは、広告に一切…
→紀伊國屋書店で購入 「生命科学の知見を「物語る」」 『できそこないの男たち』というタイトルから、いまどきの覇気のない男たちにゲキを飛ばすような内容を想像するかもしれない。が、そうではない。生まれ出ずる以前から、いかに男たちが「できそこない」…
11月1日(土)、246表現者会議の皆さんが新宿本店にご来店されます。 246表現者会議 : ベルク『246表現者会議展』 ★オープニング・ピクニック 『ベルク~ルミネ・ツアー~麗奈タン・トポスビックバン!!@紀伊国屋書店』 11月1日(土)12:00ベルク出発 ベル…
→紀伊國屋書店で購入 「京都でイノシシを狩る日々の充実と真実」 痛快な本だ。ヒトとケモノの関係を、根本的に考え直させる。というよりも、そもそも都市に住む人間が日ごろまったく意識せず、完全に忘却している問いを、つきつけてくる。 本題に入るまえに…
→紀伊國屋書店で購入 「「見て、聞いて、書いた」ものが、「論文」としてまかり通っている」と批判されるようになったのは、フィールドワークが一般化した1980年代だっただろうか。批判したのは、文献・理論を重視した近代科学の手法で研究してきた人たちだ…
→紀伊國屋書店で購入 「スティーブン・ホーキングとの争いに勝利した回想録」 宇宙のなかでぽっかりと穴を空けているようなブラックホール。中心には超密度に収縮された核となる特異点と呼ばれる点があり、この点に向かってすべてのものは吸い込まれていく。…
増山麗奈さんの作品展示にあわせ、期間限定で各種フリーペーパーをセッティングしました。 ・「DUFF」 第2号 ・「月刊ナチュラル・ハイ!!」 第4号 ・「月刊アール・エコ」 Vol.2 などなど。他にもいろいろございます。 数に限りがございますので、お早め…
→紀伊國屋書店で購入 ロンドンは世界で最も人種多様性が高い街だ。ウィンブルドン化のジレンマも随分前から叫ばれているが、その中にあって今も最もイギリスらしさを残すものといえば、クリケット、パブ、そしてrock musicだろうか。この街で聴く音楽は、そ…
→紀伊國屋書店で購入 「細菌との共存社会」 先日ギヨーム・ドゥパルディユーが急死した。37歳という若さだった。彼をご存じない方もいらっしゃるかもしれないが、フランスを代表する俳優ジェラール・ドゥパルディユーの長男といえば、お分かりの方も多いだろ…
麗奈タン・トポス★ビックバン!! にて展示販売している作品を、増山麗奈さんのコメント付きでご紹介いたします。 アキバの喪失感 ロスジェネ別冊~秋葉原無差別テロ事件~「敵」はだれだったのか~ 表紙原画 2枚組みセット 税込¥55,000 紙にペン、スクリーン…
→紀伊國屋書店で購入 餅は餅屋。「芸は道によって賢し」や「海のことは漁師に問え」というのも同義の格言だ。本書ではまさにその神髄を味わうことができるだろう。伝統ある不動のクラシック音楽月刊誌『音楽の友』に連載された、多忙な(=人気絶大の)作曲…
→紀伊國屋書店で購入 「患者の語りに導かれてALSの世界へ」 ALSは、近年、ケアと生き方に関する関心と情熱が高まっている領域の一つです。ALS(筋萎縮性側索硬化症 Amyotrophic Lateral Sclerosis)というのは、神経細胞(脊髄の側索および脊髄前角…
→紀伊國屋書店で購入 「ケアされる側の作法とは」 タイトルに「ケア」がつくと、売れるといわれる。 というか、ここのところ上野千鶴子さんと交流があるALS患者の橋本みさおも、本書に一章を寄せている。 それで、こないだ橋本の独居を尋ねた折に、玄関脇…
新宿在住のアーティスト、増山麗奈さんの作品が紀伊國屋書店新宿本店6階、美術書コーナーに登場しました。 ポストカードセット、版画、別冊「ロスジェネ」(かもがわ出版)〔紀伊國屋サザンシアターで開催されたイベントの模様を収録〕の表紙、『幼なじみの…